第120回【解答】

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【問題】

「身をし分けねば」の「し」は文法上、どのように扱われるか。次から正しいものを選べ。 (中央大学)

(1) サ行変格活用動詞「す」の連用形
(2) 過去の助動詞「き」の連体形
(3) 強調を表す助詞
(4) 形容詞「身をし」の語尾


【解答】

出典は『伊勢物語』の問題。正解はズバリ(3)だ!
「し」の識別は意外に大切。
中でも今回問題になっている、強調を表す副助詞「し」は見落としがちなので気をつけてほしい。

「し」の識別は、まず「活用するかどうか」の判断が大切になる。
活用する場合は、「する」と訳せるならサ変の連用形、「〜た」と訳せるなら過去の助動詞「き」の連体形になる。

特に過去の助動詞「き」は活用が特殊だから気をつけよう。
連体形「し」は、係り結びの「結び」になる場合が特に危険だ。

一方、「し」が「活用しない」場合は、「し」を取ってみても意味が通じるはず。
要するにひっかけだ。

問題文「身をし分けねば」の「し」を取って「身を分けねば」としても意味は変わらないので、正解は強調を表す副助詞「し」となるわけだ。

正解できたかな?
もし不正解だった人は、『古文文法ゴロゴ』P136を必ず復習せよ!

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