第126回【解答】

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【問題】

括弧の中の語の現代語訳として正しいものを選べ。 (学習院大学・改)

ただ今も出でぬべき心地して、(やをら)端を開けたれば、

(1) やわらかく
(2) ゆっくりと
(3) にわかに
(4) そっと


【解答】

副詞「やをら」の意味は、

そっと、静かに

物音を立てないよう、静かに動作するさまをいう。
同じ意味の副詞に、「やはら」がある。

この問題では「そっと」の(4)が正解。
ゴロゴ516番の「やはら・やをら」をチェックしておこう!

この場面は、出家を決意した作者が尼寺をめざして出奔しようとしている場面。
「ただ今も出でぬべき心地して」というのは、まさに作者が家を出て出家しようとしている様子を指している。

その作者とは鎌倉中期の歌人、阿仏尼(あぶつに)という人。
『うたたね』『十六夜日記(いざよいにっき)』という作品を書いたことで有名だ。
私大では文学史が出題されることが多いので、">『ゴロ文学シェーッ!』を使って、ゴロで一気に文学史を覚えてしまおう!

「ぬべき(ぬべし)」の「ぬ」は本来「完了」の意だが、「べし」と複合して「ぬべし」と使われる場合は「強意」になって「べし」の意味を強める働きをする。
「ぬ」が「強意」で使われる複合助動詞の形としては「なむ」「ぬらむ」「なまし」などがあり、いずれも重要な形だ。
『古文文法ゴロゴ』で確認しておこう!

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