前回まで、地歴・公民で出題された共通テストの新傾向問題について見てきました。国語の読解力が求められること、「問いに対して答える」という意識が重要であること、この2点を肝に銘じてください。
 さて、今回は国語に戻り、現代文で見られた新傾向問題について解説します。センター試験から共通テストへ、最も大きく変わると考えられていたのが国語でした。実際、試行調査では、従来には見られなかった実用文や図表と組み合わせた問題が出題されました。
 しかし、いざ行われた共通テスト初年度では、評論・小説ともに本文の読みをベースとしたオーソドックスな問題であったということは、第2回・第3回の記事で述べたとおりです。
 ただし、それぞれの大問の最終問題では、本文に関連する文章が与えられ、その内容を踏まえて解答することが求められました。概要を簡単に説明します。

(評論)本文の内容に関連する小説の一部分が示され、それに対する生徒の考察の空欄部分に入る文言を選んで答える。
(小説)本文の作品に対する批評文が与えられ、その意見の説明と、それとは異なる見解として最も適当なものをそれぞれ選んで答える。

 評論の問題では、生徒の考察に「第17段落に書かれていた『〈私〉という近代に特有の思想』とは、こうした自己意識を踏まえた指摘だったことがわかった。」とありました。〈幅広い指示語〉の「こうした」は、空欄を受けた部分です。つまり、本文(第17段落)の内容を読み取ったうえで、それを与えられた文章と重ね合わせていくことが求められました。
 小説も同様です。与えられた文章は本文の批評なのですから、当然、本文の読みが前提にあります。実際、その批評とは異なる見解を答える問題では、選択肢文中に本文の表現が引用され、その解釈の妥当性が問われました。
 共通テストはまだ1回行われただけですので、今後どのような問題が出題されるのか、確定的なことは言えません。試行調査のような従来のセンター試験とはかなり異なる問題が出る可能性も十分ありますので、試行調査の問題の研究も不可欠です。
 しかし、〈読解力の重視〉という共通テスト全体の大きな方向性を考えると、本文に関連する文章との読み合せを求める問題が、当面は続くのではないかと思われます。そうした問題に対処するうえで大切なことは、それぞれの文章を「重ね合わせる」ように読むということです。本文とまったく関係のない文章が与えられるということは、考えられません。どう関係するのか、共通点や相違点はどこにあるか、そういったことを意識して読むことが肝心です。
 次回は、古典の新傾向問題について見ていきます。