前々回の記事では、本文から解答の根拠を探す前に、まずは傍線部の内容を押さえるべきこと、前回の記事では、傍線部の主語に着目して選択肢を吟味すべきことを述べました。口を酸っぱくして言っても、傍線部や問題文の読みをおろそかにしてケアレスミスをする受験生は跡を絶ちません。よくよく心してください。
 さて、傍線部と問題文を押さえたら、いよいよ本文から解答の根拠を探す段階に入りますが、どのようにして探すのが良いのでしょうか? センター試験以来、問題の半数近くに絡む手がかりがあります。それは〈指示語〉です。
 「指示語の受ける内容を押さえながら文章を読み進めなさい」ということは、小学校のときからずっと先生に言われてきたと思います。指示語で前の内容を受けて、話を先に進めていく。これが文章の基本です。そして、その基本に忠実にセンター現代文は出題されてきました。それは、共通テストでも変わりません。
 「傍線部中、あるいは傍線部の直前に指示語がある場合、まずは指示語問題として解く」というのが、鉄則中の鉄則です。選択肢を見たら、指示語が受ける内容が含まれているかを、まずは確認してください。
 たとえば、センターでは次のような問題が出題されました。

〈本文〉
 だが、自分はこういう男(=孤独に人生という「荒野」を進んでいく男)のイメージに「あこがれてしまう」というフレーズが、こういったイメージが一般の若い男女にとってあこがれの対象であることを、歌い手はすでに知っているということを含意しているのである。
 「私はこういう男にあこがれてしまう」は、つまり、この「男性」像がひとつの幻想にほかならぬことの対象化である。

〈問題〉
 傍線部における「幻想」とはどのようなものか。その説明として最も適当なものを一つ選べ。
① 歌い手の心の中にだけ存在している、陽炎のように不安定なもの。
② 孤独な人間にだけ共感することができる、虚無的な幻影のようなもの。
③ 大人たちが心の中で想像しているだけの、思い出のようにはかないもの。
④ 青年のあこがれの対象としてだけ存在している、非現実的な夢のようなもの。
⑤ 若い男女にとっては古くさく時代遅れに見える、幻のように曖昧なもの。

 傍線部の冒頭にある指示語の「この」は、前文の「イメージ」を受けます。〈「男性」像=イメージ〉です。そして、その「イメージ」は「一般の若い男女にとってあこがれの対象である」と言います。この内容を的確に記述している選択肢は、④しかありません。①は「歌い手」、②は「孤独な人間」、③は「大人たち」が×。⑤は、「若い男女」とはありますが、「古くさく時代遅れに見える」が本文にありません。よって④が正解と確定できます。
 これも前回の主語と同じで、選択肢が内容的に正しく思えても、指示語の受ける内容が間違っていれば、傍線部の説明にはなりません。傍線部あるいは直前に指示語があったら、まずはその指示する内容を踏まえて選択肢を見てください。
 次回からは、古文・漢文の問題の解き方に話を進めたいと思います。