第21回 入試直前期のすごし方・①過去問は制限時間を守って解く
年の瀬も近づき、共通テスト試験日までのカウントダウンなども始まって、入試本番を強く意識する時期かと思います。また、模試なども重なり、思いどおりに勉強が進められず、焦りを感じている受験生も多いでしょう。
そこで、今回からは、入試直前期のすごし方について、勉強の進め方や心の整え方などをお話していきたいと思います。
まずは、過去問の解き方についてです。
過去問演習を進めるうえで、何よりも大事なことは「制限時間を守って解く」ということです。当たり前のことですが、受験生と席を並べて挑む模試などとは違い、自宅や自習室でひとりで赤本に向かうとなると、それが思いのほか難しいものです。考えても分からない問題が出てきたら、解答をチラッと見ようとしたり、スマホのLINEの着信を確認しようとしたり、集中を妨げる誘惑物がいろいろとあります。
ですから、そうした誘惑に弱いと自覚のある人は、それらを手の届かないところに置いてから始めましょう。タイマーも使ってください。
「制限時間を守って解く」ことの意義は、時間の使い方・ペース配分を身をもって知る、このことに尽きます。試験は時間との戦いです。特に共通テストは時間に泣かされる受験生が続出します。分からない問題が出てきたときに、そこで立ち往生するのではなく、割り切って進める必要もあるでしょう。求められているのは、「満点」ではなく「合格点」なのですから。
参考書等にはいろいろとアドバイスが書いてありますが、自分で実際に解いて、どの問題にどのくらい時間がかかるのかを体感する必要があります。そして、それをもとにして、それぞれの問題に対する時間配分を決めていくのです。
また、「第○問までに△△分を過ぎたら、打ち切って次の問題に進む」というような約束事も用意しておくと、本番で慌てません。共通テストの英語や国語では、後半に容易な問題が並んでいることがありますが、前半で時間を使いすぎると、そうした問題を取りこぼしかねません。取れる問題にしっかり時間を確保することも、「合格点」を取るためには必要です。
加えて、余った時間での見直しのしかたも練習してください。どんなに集中していたとしても、ケアレスミスは起こり得ます。また、時間を置いてひと呼吸してから見直すと、解答への道筋がはっきり見えるということもあります。見直しでどれだけ上積みできるかが「合格点」に直結しますので、早く解き終わったからといってそれで終了することなく、見直しをしてください。練習でしていないものは本番でもできません。
次回は過去問を解き終わったあとの復習の進め方についてお話します。