第27回 入試期間中のすごし方・①次の日にやることは前の日の夜に決める
今回からは、入試直前期・期間中の計画の立て方についてお話していきたいと思います。
入試本番までのカウントダウンも残りわずかになってくると、どうしても、時間がない・あれもやりたいけどできない、といったネガティブな意識になりがちです。
しかし、直前期は今まで以上に集中力の高まっている時期でもあります。ですので、無駄なく効果的な計画を立てればまだまだ実力を伸ばせます。そこで、これまでとは違う考え方で、直前期に合った計画の立て方をしてほしいのです。
これまでは、「夏休み中に英文法の参考書を終わらせる」「次の模試までにゴロゴ古文単語を一巡する」といったように、長い期間で大きな計画を立ててきたと思います。しかし、直前期にはそのような時間は残されていませんし、大きな目標はかえってやるべきことをボヤけさせてしまいます。
ですから、直前期に大切なのは、「明日は1時間で英文法の仮定法の部分を見直す」などのように、計画を細かく具体的に立てることです。あるいは、「通学の電車内の20分間はゴロゴ古文単語のタ行とナ行を見直す」といった形で決めておけば、スキマ時間も有効に活用できます。
では、そのような計画をいつ立てればよいか? それは前の日の夜です。夜寝る前に、一日を振り返りながら、明日やることを予定と相談しながら決めてほしいのです。
これまでの時期は、どの科目もすべての範囲を終わらせるということを前提に予定を立てていたと思います。しかし、入試直前期ですからひととおり終わっているでしょうし、共通テストのみの科目で残っている単元があるとしても、一つ一つつぶしていけばよいだけのことです。
入試直前期は、大きな計画を立てるというよりもむしろ、苦手としている分野や、積み残しにしている部分を補強していくことを第一に考えるべきでしょう。そうした方が、計画を具体的に立てられ、限られた時間でも効果的に勉強できます。
そして、そのような具体的な「to do リスト」は、前の日の夜に作成してほしいのです。今日一日を振り返り、明日はこれをやるべきだとターゲットを明確に設定する。それを毎日積み上げていけば、いくらでも成果を挙げることができます。
また、一日を振り返る際には、何をしたのかを具体的に思い返して、できればノートなどに書き出してください。直前期は復習と問題演習が中心となるでしょうが、「今日は○○の問題でつまずいた」などと振り返ることで、「だから△△を見直す必要がある」といったように、やるべきことが明確になります。
何はともあれ、細かく具体的に計画を立てるようにしてください。
次回も引き続き入試直前期・期間中の計画の立て方についてお話します。