1月半ばに共通テストが終わったあとは、2月1日に私立大の入学試験が始まり、2月下旬の国公立大前期試験、3月上旬の後期試験と、切れ目なく入試が続きます。かなりタイトな日程になっている受験生もいるでしょう。
 もうまとめて勉強する時間は取れません。空いている時間を見つけて、これまで積み上げてきたことの最終確認が中心となります。また、何よりもコンディションを万全に整えることが大切です。無理せず休養に当てるようにしてください。
 そうした、試験が続く状況において、受験生が最もやってはいけないことがあります。それは、「問題の答え合わせをすること」です。共通テストのように正解が発表されるものを除いて、自分で答えを調べたりしてはいけません。
 なぜダメなのか? 理由は簡単です。次の試験につながらないからです。
 まず、受ける大学学部によって、問題の傾向や難易度、出題形式が全く異なります。だから、受け終わった大学学部の問題はスッパリ忘れ、次に受ける大学学部の過去問を見直して、傾向などを再確認する方がよっぽど有益です。
(なお、旧センター試験は基礎力を問う問題が中心でしたので見直しを奨めていましたが、現行の共通テストは出題形式や問われる内容が独特で、私大・国公立大二次につながらないため、見直しはお奨めできません。)
 たしかに、できなかった問題は答えを調べたくなるものです。ですが、それをやり始めると、特に地歴・公民などでは、ネットなどを調べまくった結果、答えは分かりませんでしたということがよくあります。正誤問題などがそうです。
 そもそも、できなかった問題は合格点を取るのに必要ないという可能性もかなり高いです。この連載でも、「満点」ではなく「合格点」を取るためにどうするのかという視点からお話をしてきました。たとえば、日本史の問題を調べて正解は用語集で頻度①の事項だったら、知っている必要はなかった、その時間は無駄だったということになります。
 合否がかかっていますので、答えが気になる・調べたくなる気持ちは分かります。ですが、その気持ちはどこから生じているのかを自分の心に聞いてみてください。それは「不安」です。
だとしたら、その「不安」を解消するのに必要なことをしましょう。とにかく寝ることだったり、ずっと勉強してきた英単語帳を見直すことだったりします。そうやって、「自信」を取り戻すことで、「不安」に打ち勝つ。正解を調べても「不安」は増大するだけです。
 これまで積み上げてきたことを最大限に発揮するためにも、過ぎたことでクヨクヨしないようにしてください。