共通テスト国語の分析は、現代文から古典へと進んでいきます。まず、第3問の古文に関しては、昨年度(2021)・今年度(2022)と関連する複数のテクストから出題されました。文章を比較しながら読むということは、新学習指導要領が掲げる目標の1つですので、この出題の形式は、引用文などを用いた現代文と同様に、今後も続くと考えられます。
ただし、設問の内容を詳しく見ると、文法と単語に忠実な出題がされていることは、センター試験から変わっていません。理由や心情を推測して答える問題でも、傍線部の解釈が前提としてあって、傍線部を文法的に的確に説明している選択肢が正解ということは、共通テストでも引き継がれました。文法と単語の学習が古文の基本であるということを、しっかりと肝に銘じてください。
そのうえで、新傾向型の問題も出題されていることにも注意を要します。今年度出たのは次の問題です。

〈問題〉
傍線部A「つつましき御思ひも薄くやありけむ、なほひたぶるにいぶせくてやみなむは、あかず口惜しと思す」の語句や表現に関する説明として最も適当なものを、次の①~⑤のうちから一つ選べ。
① 「つつましき御思ひ」は、兄である院と久しぶりに対面して、気恥ずかしく思っている斎宮の気持ちを表している。
② 「ありけむ」の「けむ」は過去推量の意味で、対面したときの斎宮の心中を院が想像していることを表している。
③ 「いぶせくて」は、院が斎宮への思いをとげることができずに、悶々とした気持ちを抱えていることを表している。
④ 「やみなむ」の「む」は意志の意味で、院が言い寄ってくるのをかわそうという斎宮の気持ちを表している。
⑤ 「あかず口惜し」は、不満で残念だという意味で、院が斎宮の態度を物足りなく思っていることを表している。

内容と表現を総合的に問う問題で、このような出題形式は、試行調査で初めて見られ、昨年度・今年度と2年連続して出されましたので、定番化していくものと考えられます。しかし、センター試験では、文法は文法、解釈は解釈、表現は表現と別個に問うていたものが、1つの設問でまとめて問うようになったというだけで、選択肢の正誤の判定のしかた自体は変わるものではありません。文法と単語に着目すれば無理なく解けます。
本問では、「けむ」は筆者が斎宮のその時の気持ちを推量しているのですから①・②は×、「やみなむは」は仮定ですので④・⑤も×、③は「悶々とした気持ち」と「いぶせくて(いぶせし)」を的確に訳し出していて、正解と判定できます。
国語に限らず、どの科目も第一に基本の徹底です。そのうえで、新傾向型の問題に数多く当たってください。次回は漢文について見ていきます。
※試行調査および2021年度の問題については第1回~第10回、攻略法については第11回~第20回の記事で説明していますので、そちらをお読みください。