今回は国語(漢文)の分析です。古文が文法と単語に忠実に出題されていたように、漢文では句法と漢字に忠実に出題されています。次の問題は基本レベルですが、だからこそ基本の大切さを再認識してほしいところです。

〈問題〉
傍線部B「苟近我、我当図之」の解釈として最も適当なものを、次の①~⑤のうちから一つ選べ。
① どうか私に近づいてきて、私がおまえの絵を描けるようにしてほしい。
② ようやく私に近づいてきたのだから、私はおまえの絵を描くべきだろう。
③ ようやく私に近づいてきたのだが、どうしておまえを絵に描けるだろうか。
④ もし私に近づいてくれたとしても、どうしておまえを絵に描けただろうか。
⑤ もし私に近づいてくれたならば、必ずおまえを絵に描いてやろう。

「苟」は仮定法で「いやしくも」と訓み、「もし~ならば」の意ですので、⑤がズバリ正解と判定できます。再読文字の「当」(まさに~すべし)の解釈も妥当ですね。④は冒頭に「もし」とありますが、「~としても」と逆接仮定条件で解釈しているので誤りです。
傍線部中に含まれる句法に着目して選択肢の正誤を判定する、これを徹底してください。
さて、新傾向型の問題としては、現代文・古文と同様に複数のテクストを組み合わせた問題が出題されています。昨年度(2021)・今年度(2022)と2年続けて漢詩と散文の組み合わせです。題材を探しやすいという点からも、今後もこの組み合わせでの出題は主流になっていくと思われます。
漢詩が題材とされた場合、必ず出題されるのが押韻の問題です、今年度も押韻を踏まえて空欄に入る漢字を答える問題が出題されましたが、ひとひねりあったので注意を要します。

〈問題〉
春城花事小園多 幾度看花幾度X(第3句以降省略)
空欄Xに入る漢字と【詩】に関する説明として最も適当なものを、次の①~⑤のうちから一つ選べ。
① 「座」が入り、起承転結で構成された七言絶句。
② 「舞」が入り、形式の制約が少ない七言古詩。
③ 「歌」が入り、頷連と頸連がそれぞれ対句になった七言律詩。
④ 「少」が入り、第一句の「多」字と対になる七言絶句。
⑤ 「香」が入り、第一句末と偶数句末で押韻する七言律詩。

七言の詩ですので、偶数句および第一句で押韻します。第一句の「多」の音読みがtaで、各選択肢の漢字はそれぞれ①「座」za、②「舞」bu、③「歌」ka、④「少」shou、⑤「香」kouですので、正解は③で決まります。
ここで、⑤の「香」をkaと読んでしまうと迷いますが、それは音読みです。音読みと訓読みをしっかり区別していること、それは、漢和辞典を積極的に活用してくださいという、出題者からのメッセージとも受け止められるでしょう。
次回からは、地歴・公民の科目について見ていきましょう。
※試行調査および2021年度の問題については第1回~第10回、攻略法については第11回~第20回の記事で説明していますので、そちらをお読みください。