第63回の記事から、漢文の学習法についてお話してきました。最初に述べたとおり、漢字問題は重要な得点源であるとともに、漢字の理解は読解力に直結しており、この二つの意味から「漢字の読み書きは現代文学習の基本である」と言えます。また、共通テストなどの出題形式に対応した学習も求められるでしょう。
 9月下旬に刊行した『新・ゴロゴ現代文〈漢字〉』は、これらを踏まえ、受験生が効率よく勉強できるように、さまざまな仕掛けが施されています。そこで、今回は『新・ゴロゴ現代文〈漢字〉』の構成と学習の進め方について説明します。
 まず、『新・ゴロゴ現代文〈漢字〉』は以下の9章から成ります。

第一章 『書き』ベスト1~500
第二章 『書き』ベスト501~1000
第三章 『書き』ベスト1001~1500
第四章 「読み」ベスト300
第五章 同音異義語ベスト178
第六章 書きミス漢字ベスト184
第七章 最新入試漢字ベスト217
第八章 共通テスト漢字ベスト503
第九章 複数の意味を持つ漢字ベスト50

 第一章~第三章では、過去の入試問題の分析に基づき、出る順に500ずつセレクトしています。入試で問われる漢字の、第一章は50%、第二章を加えると75%、第三章まで行けば95%をカバーしていますから、まずはここまで固めることを目標としてください。
 「一日にどれくらいこなしていけば良いですか?」という質問をよく受けますが、それは始める時点での各人の漢字力とゴール(試験日)までの期間によります。途中で変更しながら自分にとって最適のペースをつかんでください。
 ただし、共通して守ってほしいことが2点あります。第一に、毎日やること。第二に、最低3回繰り返すことです。覚えるものは、一日でまとめてやるよりも、毎日こなしていった方が、記憶が定着します。また、確実に覚えるには繰り返しが感じです。漢字の例文の上にチェックを入れる箇所が3つずつありますので、活用してください。
 第四章以降はより実戦的な内容となっています。とりわけ、第五章・第八章・第九章は、たんに入試問題で出る、共通テストで出るというだけでなく、漢字の意味を深く理解し、読解力につなげていくという点でも重要です。第64回の記事でも述べましたが、知らなかった漢字は漢和辞典を引きましょう。語源や熟語に目を向けることで、漢字に対する興味も高まると思います。
 以上、5回にわたって漢字の学習法について述べてきましたが、最後に言いたいのは、漢字は努力がすべてであり、適切な努力さえすれば誰でもできるようになる、ということです。『新・ゴロゴ現代文〈漢字〉』を活用して、確かな漢字力をつけてください。