前回まで、共通テスト現代文の傾向と対策についてお話してきました。見かけは複数のテクストが与えられるなど新傾向の問題はありますが、指示語や因果関係を問うという基本的な部分は、センター試験から何も変わりません。センターの過去問を活用して解き方をマスターしてください。
 さて、今回は、古典(古文・漢文)についてお話しましょう。古典も、共通テストになって、センター試験にはない問題が見られますが、基礎力重視という点は確実に引き継がれています。
では、古典における「基礎力」とは何でしょうか? それは、何はなくとも〈文法〉です。文法的に正しく解釈する、これこそが問われています。裏返せば、文法的な正しい解釈なしに、鑑賞や議論はできません。ですから、どんな問題でも、文法的に正しいかどうかに着目して選択肢の正誤を判定することが肝心です。
 例えば、初年度(2021)には次の問題が出題されました。

〈例題〉
傍線部ウ「里に出てなば」の解釈として最も適当なものを、次の①~⑤のうちから一つ選べ。
① 自邸に戻ったときには
② 旧都に引っ越した日には
③ 山里に隠棲するつもりなので
④ 妻の実家から立ち去るので
⑤ 故郷に帰るとすぐに

 句末の「なば」は、完了「ぬ」未然形+接続助詞「ば」に品詞分解され、未然形接続ですので仮定条件となり、「~してしまうならば」の意です。選択肢を見ると、仮定で解釈しているのは①のみですね(③・④は完全に確定条件です)。「里」も〈自宅・実家〉の意味ですので、①が正解と判定できます。
 この問題は選択肢が短かいですが、長い選択肢の場合ほど、〈文法〉に着目すると選択肢が絞りやすくなります。次は今年(2022)の漢文の問題(一部)をご覧いただきましょう。

〈例題〉
 傍線部C「(前略)先則恐逮于臣。」の解釈として最も適当なものを、次の①~⑤のうちから一つ選べ。
① ~私が前に出るとすぐにやる気を失ってしまいました。
② ~以前は私に及ばないのではないかと不安にかられるだけでした。
③ ~どの馬も私の馬より劣っているのではないかと憂えるばかりでした。
④ ~私は最初から追いつかれないように気をつけていました。
⑤ ~前に出るといつ追いつかれるかと心配ばかりしていました。

 ポイントは仮定形の「則」と受身を表す置き字の「于」で、それぞれ「前に出ると」「追いつかれる」と的確に解釈している⑤が正解と判定できます。
 共通テスト本番まであと2週間ですが、〈文法〉に関してはもう一度しっかりと復習してください。そして、〈文法〉で確実に選択肢を絞れるようにしてください。
 次回は、国語に限らず、選択肢に迷ったときにどう対処するかというお話をします。