前回は、現代文の学習法について、「①理解する」=読み方・解き方の習得と「②覚える」=漢字・語彙のマスターについてお話ししました。どんな科目でもそうですが、現代文の場合は特に勉強の「質」を高めることが先決です。『新ゴロゴ現代文』シリーズの〈基礎~必修編〉〈漢字〉〈語彙テーマ〉を活用して、正しい勉強法を身につけてください。
 さて、今回は〈質〉から〈量〉へと話を進めていきましょう。〈質〉に〈量〉をかけ合わせることで、現代文の成績は上昇します。「③使いこなす」=問題演習が〈量〉にあたるわけですが、問題演習の具体的なやり方がカギを握ります。
 まず、使用する教材としては、『新ゴロゴ現代文問題集〈基礎~必修編〉』が最適です。『新ゴロゴ現代文〈基礎~必修編〉』で説明した「日本語の運用のしかた」に即して解説していますので、インプットした内容を実際の問題でどのようにアウトプットするのかを習得してください。
 次に、問題演習のやり方ですが、鉄則として「同じ問題を2回解く」ということを肝に銘じてください。
 1回目はもちろん自力で解きます。そうしたら、解説を読んで、自分の解き方が間違っていなかったかどうかを確認ください。それは、たんに答え合わせをするのとは違います。正解だったとしても、「日本語の運用のしかた」と言葉の意味に沿って明確な根拠をもって解答できたかたかどうかを、振り返るのです。
 現代文で同じ文章が出題されることは稀ですが、「日本語の運用のしかた」はあらゆる文章・問題に通用します。また、漢字や語彙も、実際の文章における使用例に接することで自分のものとなります。解説を読むというのはそのために必要なことと考えてください。
 しかし、解説を読んで理解したというところで留まっていては、別の問題でそれを使いこなせるということにはなりません。ですから、1回解いた問題を、解説を読んだ後、もう1回時間を置いて解いてみるということが肝心です。正しい読み方・解き方が身についているかどうかを、確認することが必要なのです。
 そこで、1回目の演習をする前に、問題のコピーを取っておいてください。文章を読む際には大事なところに線引き・マークをしていきますし、解説を読んだ後にもポイントを書き込んでいくでしょう(線引き・マークのしかたについては『新ゴロゴ現代文〈基礎~必修編』で説明しています)。ですから、2回目の演習のために、あらかじめ何も書き込まれていない真っ新な問題を準備しておくのです。
 以上が現代文の勉強法です。「①理解する」=読み方・解き方の習得・「②覚える」=漢字・語彙のマスター・「③使いこなす」=問題演習の3つを心に刻んで、今すぐスタートを切ってください。エンジンがかかるまでは時間がかかりますが、しだいにスピードが加速されていくはずです。
 次回からは古典の勉強法についてお話していきます。