今回は副詞としての訓みを問います。漢字の意味から推測できることが多いですので、いったん理解してから覚えてください。

問題 次の文における「愈」の読みとして適当なものを下の①~④から一つ選べ。

 犯者愈衆。 ※「衆」は「多」に同じ。

① しばしば ② まさに ③ すなはち ④ いよいよ

正解 ④

解説 「愈」は、心から悩みごとが抜き取られたことを表わす会意文字で、動詞では「いゆ(病気が治る)」「まさる(他よりも優れている)」と訓みます。また、そこから派生して、病気が段階を追って良くなるということで、副詞では「いよいよ」と訓みます。本問のこの文を訓読すると、「犯す者は愈(いよいよ)衆(おほ)し」で、解釈は「犯罪者はますます多くなった」です。

☆今回扱った漢字は、『新・ゴロゴ漢文』巻末「虎の巻」に掲載されています。