今回から2回にわたって受身形を取り上げます。受身の基本的な形は3つありましたので、しっかりと整理してください。

問題 次の文を訓読せよ。

 大王見欺於張儀。

正解 大王張儀に欺かる。

解説

 受身には、①置き字を用いる、②返読文字(見・被)を用いる、③返読文字(為・所)を重ねて用いる、の3つ形がありました。本問のこの文は①と②が組み合わされています。置き字の「於」の後にきている客語の「張儀」が動作主です。また、「見」は受身の助動

詞「る・らる」として訓んでください。「大王は張儀にだまされた」と解釈できますね。

☆今回扱った句形は、『新・ゴロゴ漢文』巻末「虎の巻」に掲載されています。