第97回【解答】

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【解答・解説】

正解は(2)の「風流であるように」になる。

漢字でも「好き好きし」と書くこの形容詞は、現代語とは違う意味をもっている。
古語での「すきずきし」というのは「物好きだ」「風流だ」という意味。
現代語のように「like」の意味はない。

また、ここでは単語以上に「ましかば〜まし」という反実仮想の形が大切だ。
センター超頻出で、「仮に〜としたら、〜だったろうに」と訳す。
ここでは、「仮に考えることが少しでも普通の身であったとしたら、風流であるようにふるまい、若やいだ様子をしてこの無常の世を過ごしただろうに」となる。

反実仮想は「現実の反対を仮に想像する」という意味なので、紫式部の現実はこの文章の反対で、「普通の人と考えることが違うので、みんなと同じように若やいだ様子ではこの無常の世を楽しめない」ということになる。

いつの世も文学者は精神的に大変ということかな。

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