問題演習(10)
……………………
■問1■
“I'd better call our neighbor to ask her to check the door of our apartment.”
“You don't have to do that. I remember ( ) it when we left.”
(1) lock
(2) locking
(3) to be locked
(4) to lock
■解説■
文意は、
「隣の人にアパートのドアを確認してもらうように頼んだ方がいいと思う。」
「その必要はないよ。」
となります。
そして後に続く I remember 以下が問題箇所となっています。
動詞 remember は「覚えている・覚えておく」の意味です。
remember の後には直接目的語を取ることになります。
今回の問題のように、remember の後に動詞が来る場合も、同様に考えます。
つまり、目的語になるため、動詞が「名詞」の形になる必要があるのです。
考えられる動詞の形は、to V(不定詞の名詞用法)、Ving(動名詞)のどちらかになります。
ここで注意が必要です。
「覚えている・覚えておく」動作の内容が、「これからやる未来の動作」なのか、「すでにやった過去の動作なのか」が重要になります。
remember to V
「これからVするのを覚えておく」
remember Ving
「すでにVしたことを覚えている」
このように考えると分かりやすいかと思います。
不定詞(to V)の本来の意味は、
・方向を表す「to」+“まだ手をつけていない動作”を表す「原形V」
となります。
つまり、「これからやるぞー」という未来の動作を表します。
それに対して、動名詞(Ving)が表すのは、
・“すでに手をつけた動作”=“すでに終えた動作”
です。
これは、動詞が「原形V」から「Ving」へと形が変わっていることから、すでに手をつけた過去の動作なのだとイメージしましょう。
では、この問題の場合はどうでしょうか?
「その必要はないよ」という発言から、「家を出るときにドアをロックした」のを覚えている、ということが分かりますね。
「過去の動作」を覚えている、という内容なので、正解は(2) locking になります。
……………………
■問2■
I don't think we can come up with a solution to the problem, however long we spend ( ) it.
(1) discussing
(2) talking
(3) to discuss
(4) to talk
■解説■
「どんなに長くその問題について話し合っても、解決策を思いつけないと思うよ。」
という文意になります。
正解は(1) discussing です。
ここでは、
spend 時間 (in) Ving
「Vするのに時間を費やす・Vして時間を過ごす」
この形に気がつくかどうかがカギとなります。
今回の問題では、「時間」= however long になっているわけです。
そして、( )の後に直接 it が来ていることから、discussing を選びます。
選択肢(2) talking では、動詞の後に直接目的語を置くことはできません。
文として成り立たせるには、talking の後に about が必要になります。
注意しなければならないのが、Ving の直前の前置詞 in が省略できる、という点です。
問題文に前置詞 in があったならば、後には動名詞 Ving が来ることに容易に気がついたと思います。
今回のように前置詞が省略された形の場合、この Ving は「動名詞」ではなく、「現在分詞」になります。
これを「前置詞の省略による動名詞の分詞化」と名づけます。
この「前置詞の省略による動名詞の分詞化」は、それほど多くの用法がないので、よく出るものをまとめて覚えておきましょう。
spend 時間 (in) Ving
「Vして時間を過ごす」
be busy (in) Ving
「Vするのに忙しい」
have difficulity [trouble] (in) Ving
「Vするのに苦労する」
go (for) Ving
「Vしに行く」
take turns (in) Ving
「交代でVする」
センター英語・第2問においては語彙力はもちろんのこと、文法の知識も当然求められるので、間違えた問題などはノートにまとめておくように!
短期集中で文法を極めるなら、ちょっと宣伝になってしまいますが、僕のDVD教材『徳村英樹の英文法・必修講座』をオススメします。
この『英文法・必修講座』では、準動詞・関係詞・時制・仮定法といった、わりと苦手にしている人が多い文法事項を、徹底的に分かりやすく解説しています。
また、入試でもよく出題される文法問題の演習もたっぷり用意しました。
そこでは、単に正解がどれなのかを解説するだけでなく、不正解の選択肢がなぜ間違いなのかもしっかり解説しています。
正解・不正解の「根拠」が解るようになることで、問題に対して自信を持って正解を導き出せる力が身につきます。
DVD講座なので自宅にいながら、しかも自分のペースで僕の授業が受けられますぞ!!
□『徳村英樹の英文法・必修講座』