【 解答・解説 】

正解はCの受身

まず、この「れ」が助動詞「る」の未然形であることが見抜けたかどうかです。

「る」は[受身]・[尊敬]・[可能]・[自発]の4つの意味をもつ助動詞です。

接続は「未然形接続」ですが、入試においては「ア段に接続する」と覚えたほうが実用的です。
問題文でも四段動詞「願ふ」の未然形「願は」(=ア段)に接続していますね。


助動詞「る」だと分かれば、次は4つの意味の識別です。

まずここでは、「させ給ふ」という二重尊敬の形に接続しているので[尊敬]の意味にはなりません(三重尊敬というのはありません)。

次に「祈り願ふ」という意志的な行動は、[可能]や[自発]とは考えられません。
特に[自発]は「思ふ」や「泣く」などといった「心情語(知覚動詞)」を伴って使われます。「祈り願ふ」は心情語ではありませんよね。

また、[可能]は多くの場合、「打消語」を伴って使われて、「〜できない」となります。
ですが、ここでは打消語はなく、「〜できる」と訳してみても文意が通じません。

残る意味は[受身]です。
訳してみると、「天下の人々に祈り願われて生まれなさった若宮」という文脈になり、文意が通ります。

よってCの「受身」が正解となります。