【 解答・解説 】

正解はC「わけのわからぬ」

ヤ行下二段動詞の「覚ゆ」という語は古文の基本語で、

1.自然に思う
2.思い出される
3.似ている

などの意味があります。

この中では現代語と異なる意味の3「似ている」が入試でよく問われますが、今回はその意味ではありません。


実は上に「もの」がついて「ものおぼゆ」となると、「意識がはっきりする」「物心がつく」と言う意味になります。

ここでは下に打消の助動詞「ず」の連体形「ぬ」が付いているので、「意識がはっきりしない」→「わけがわからない」となって、Cが正解とわかります。


直前に「よしなき事いふ」=「つまらないことを言う」とあるのもヒントです。


「『つまらないことを言うなんて、わけのわからない方だなあ』と言って斬ろうとしたところ」
という文脈になります。



直前が「、」となっている場合は、以前説明した「て」パターンと同様に、「、」をはさんだ部分が相互ヒントになる、というパターンなので見落とさないようにしましょう。