【解答・解説】

正解は、(A)=C「強意の副助詞」(B)=A「形容詞の一部」(C)=B「過去の助動詞」


(A)は助詞の「と」に接続しており、「し」を取っても意味が通じることから、正解は(4)の「強意の副助詞」。

この副助詞の「し」は意外に解答になることが多いので注意しましょう。


(B)の「し」は、「頼もし」の変化したものの一部です。

ここは、
「頼もしかるなり → 頼もしかんなり → 頼もしかなり」
と変化した最終形の一部になります。
解答としてはAの「形容詞の一部」が正解。

ただし正確には、
シク活用の形容詞「頼もし」の連体形「頼もしかる」の撥音便「頼もしかん(「ん」は無表記)」の活用語尾の一部
という長ったらしいものになります。


(C)は過去の助動詞「き」の連体形

なぜ連体形「し」になっているかというと、ここでは「誰と」という疑問詞に呼応しているからです。

訳すと、
「誰と申し上げる方だったのですか」
となり、こうした疑問と呼応する場合は文末にある語は連体形になります。

「いかで」「など」のような疑問・反語の副詞が上にある場合、文末は連体形になるので覚えておきましょう。