実践「ニュース小論文」第17回答案紹介・講評
皆様、こんにちは。
台風がやって来ましたね。
みなさんがこれを目にする頃には、もう太平洋に抜けてしまっていることでしょう。
ところで「台風が来たらコロッケ」っていう話を御存知でしょうか?
なんだか最近の風潮のようです。
ただ、いつから始まったのかわかりませんでした。
そこで調べてみました。
ふむふむ・・・
どうやら2001年の夏頃、2ちゃんねるが発祥のようですね。
まぁだからどうということでは無いのですが・・・。
ちなみに私は先ほど、コロッケを食べました。
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さて皆さん、ドラえもんって御存知ですよね?
ドラえもんは昔から、大変な人気です。
なぜあんなに愛されるのでしょう?
大きな理由は、やはり「ひみつ道具」です。
問題を解決する際に、今の世の中では存在しない、それでいて楽しい「道具」が出て来るからですよね。
そんな「ひみつ道具」・・・無いですよねぇ。
まさに「こんなこといいな、できたらいいな」なんです。
さて・・・。
ドラえもんの「ひみつ道具」のひとつに「おこのみボックス」っていうものがあります。
⇒ http://iphone-mania.jp/news-39693/
小さな箱、そう、ちょうどティッシュボックスをもうひと回り小さくしたような大きさです。
そしてその箱に向かって、ドラえもんが言うのです。
「電話にな~れ」
その箱は、電話機になります。
「レコードプレーヤーにな~れ」
その箱は、レコードを乗せて音楽を奏でます。
「カメラにな~れ」
その箱は、パシャッと音をたてて写真を撮ります。
「テレビにな~れ」
その箱に画面が現れて、テレビをみることが出来ます。
これって・・・そう、スマホですね❢
つまりドラえもんの「ひみつ道具」、実現しちゃっているんです。
他にも実現している「ひみつ道具」がいくつかあります。
こんなふうに、「ひみつ道具」で問題が解決したら・・・ワクワクしますよね。楽しいですよね。
ですから、少しでも解決できそうな「ひみつ道具」を考えてみましょうよ❢
小論文の採点官も、そんな夢のある解決策が書いてあれば・・・ワクワクして楽しいのです。
解決策は、そんなワクワクするような「ひみつ道具」が好ましい、と私は考えます。
前々回の答案御紹介と講評です。
ニュースを再掲します。
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以下のニュースを読み、190字以上200字以内で問題点を指摘し、解決策を述べよ。
音楽教室での演奏から著作権料を徴収する方針を決めた日本音楽著作権協会(JASRAC)を相手取り、教室の運営などをする249事業者・団体が2017年6月20日、「教室での演奏に著作権は及ばない」として、JASRACが著作権の請求権を持たないことを確認する訴訟を東京地裁に起こした。JASRACは全面的に争う構えだ。
訴えたのはヤマハ音楽振興会のほか、河合楽器製作所、山野楽器、島村楽器など247事業者と全日本ピアノ指導者協会、日本弦楽指導者協会。
著作権法は、公衆に聞かせることを目的に楽曲を演奏したり歌ったりする「演奏権」を作曲家、作詞家が専有すると定める。この規定が、音楽教室での演奏に適用されるかどうかが最大の争点になる。
訴状などによると、音楽教室では、同一の教師が継続的な授業で生徒と密接な関係を作っており、生徒は最大でも10人程度で、不特定多数の「公衆」ではないと指摘。教室では「1小節ないし数小節の単位」の演奏が多く、楽曲を聞かせることが目的とは言えず、演奏権は教室には及ばないと主張している。
《 朝日新聞 2017年6月20日(火) 14時17分 配信 》
[1] Nさん
最近インターネット上で画像などの無断使用が多発している。このように、著作物に対してしっかりとした規制を行わないことが問題である。従って著作権の規定を強化すべきである。具体的には、著作権料の支払いを義務化することや、違反した場合の罰を明確にした法律を作成すべきである。これを普及させるためには、プレスリリースを使い、情報拡散すべきである。また、ネット上に著作権についての警告文を掲載することも必要だ。
(199字)
講評
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・「普及させるためには~」を、なぜ入れたのでしょうか?「問題点」と「解決策」ですよ。「普及策」は不要です。
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・内容に関しては、まずここで述べられているニュースに接しながら一般化せねばなりません。いきなり「最近インターネットで~~」と始まると、読む方は「インターネットで音楽が無断に使用されていて、それとJASRACとが関係しているのかな?」と予測しますが、全く異なる「画像」の話。いきなりそんなに跳んで一般化してしまうと、読み手は戸惑います。「JASRACは、どこ?」って思っちゃいますよ。あくまでも取り上げられたニュースに接して、そこから徐々に一般化するのです。
- ・今回のニュースの論点は「音楽教室で楽曲を使用する場合にも著作権がおよぶか否か」であって、著作権に対する姿勢がよろしくない、ということではないのです。従って、論点が飛躍しているように思われます。
- ・ちなみに著作物に対しては「しっかりとした規制」が行われていますし、「著作権料の支払い」は既に「義務」ですし、「違反した場合の罰」は「明確に」法律になっていますよ。ちゃんと「著作権法」という法律があります。
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◎ 評価は30%です。
[2] Rさん
JASRACが音楽教室の現状を把握できていないことが問題だ。音楽教室は大体少人数制で演奏も公衆に聞かせるものではない。さらに著作権が絡むのは没後50年以降であるが、大抵の古典的な楽器は没後約250年のバッハなどの曲を使っていることが多い。著作権料を徴収されない様に昔の曲ばかり練習する人、もしくは音楽から離れる人が増えたら日本の文化は衰退するだろう。音楽教室では徴収せず演奏会などのみで徴収すべきだ。
(196字)
講評
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・「没後50年以降」ではなく「没後50年以内」ですよね?単純なミスと思われます。
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・「バッハなどの古い曲」に対してまでJASRACが無差別に使用料を請求する、とお考えなのですよね?「音楽教室の現状を把握できていないことが問題だ」とおっしゃっているのですからね。でもそうであれば、音楽教室側は「『1小節ないし数小節の単位』の演奏が多く、楽曲を聞かせることが目的とは言えず、演奏権は教室には及ばないと主張」をせずに、「バッハなどの古い曲しかやっていないから著作権は発生しない」と主張するのではないでしょうか?
- ・そして「昔の曲ばかり練習する人」が増えたら「文化は衰退する」理由が分かりません。もしそうであれば、現時点で文化は衰退の道を歩んでいることになりますよね。なぜなら、あなたの主張によれば「大抵の古典的な楽器は没後約250年のバッハなどの曲を使っていることが多い」のですから・・・でもそれっておかしいですよね。
- ・論理が完全に破綻しています。残念です。
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◎ 評価は10%です。(完全なる論理破綻のため)
[3] Gさん
JASRACに関わらず、著作権全般の扱える範囲を定めるべきだ。今回は、音楽教室が対象となったが、他の方面でも今後同じような問題が起こるかも知れない。そもそもこういう著作権使用の問題が起こるのは、度重なる違法ダウンロードや無断転載がはびこっていて、音楽業界に収益がいかないのが原因である。その最たるものが、インターネットである。まずは、ネット上での著作権の取り締まり策を一層強化し、規制を張るべきだ。
(196字)
講評
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・今まで使用料をとっていなかったJASRACが、急に使用料をとるようになった・・・その原因がインターネットでの違法ダウンロードや無断転載にある・・・という視点は非常に素晴らしいです。私もそのとおりだと思っています。
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・しかし、そうであるならば、冒頭からそのように書くべきでしょう。つまり「今までJASRACは、音楽教室を著作権使用料の対象としていなかった。しかし、急に使用料の対象とした。その原因は主として、インターネットでの違法ダウンロードや無断転載による著作権使用料の激減であることは明らかだ。」と書けば良いのです。
- ・そして、音楽教室だけでなく音楽業界や書籍や映画等、文化全般にまで話を広げて、結局インターネットがそうした文化の無法地帯になっている、としてみましょう。
- ・そうすれば、無法地帯であるネット関係を何とかせねば・・・と思えますよね。そこであなたのおっしゃる「規制」・・・う~~ん、これもわかります。でも、やはり「ドラえもんのポケット的発想」で考えませんか?
- ・例えば現在、イタチごっこになっているネット上の著作権問題に関して、瞬時徹底的にパトロールできる「ポリス・アプリ」を作成する、等です。
- ◎ 評価は60%です。
[4] Sさん
私はこの両者間で、著作権の議論すべきではないと思う。なぜなら、著作権の問題は多数存在するからだ。例えば原作の二次創作や引用などがあげられる。最近では五輪のロゴマークが問題となった。現代のネット文化に多数存在するようになった著作権問題を明確に規定し、どこからが著作権問題なのかを区別することが重要だ。そうすれば、我々は何も萎縮することなく、行動できるのだ。
(177字)
講評
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・190字以上200字以内というルールに違反していますので、残念ながら零点です。
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・ちなみに内容も抽象的でよく分からず、評価できません。「問題点」と「解決策」なのに「我々は何も萎縮することなく、行動できる」とは、いったい何なのか?私達は何に対して萎縮しているとおっしゃりたいのか・・・・不明です。
- ◎ 評価は0%です。