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第131回 入試期間中の過ごし方・④入学後の生活を思い浮かべて勉強を続けよう

前回は、入試期間中の過ごし方として、新しいものに手を出さないということについて
お話ししました。今さら新しい参考書や問題集を始めたところで、消化不良に終わるだけ
です。これまで使ってきたノートやプリントを見返す。そうすることで、自分のやってき
たことは間違いがなかったと、自信を深めてください。
さて、今回は、入試期間中というだけでなく、その後も見据えたお話をしたいと思いま
す。なぜ皆さんは受験勉強を続けてきたのか? それはもちろん、志望校に合格するため
でしょう。しかし、それがゴールではありません。志望校合格という目的に対して、受験
勉強は手段でしたが、その目的が達成された瞬間から、それは別の目的に対する手段とな
ります。志望校に合格するというのは、大学で勉強するという目的の手段です。
このように、人生というのは、目的と手段とが入れ替わりながら、上のステージへと進
んでいきます。大学での勉強も、最後の目的ではありません。自らの人生を自らの手で切
り開くための手段です。そして、その目的を達するためには、大学を卒業したら勉強は終
わりというわけにはいきません。それこそ死ぬまで勉強が求められるのです。
皆さんも、合格したらすべてから解放されて、何でも自由にできるとは思っていない
でしょう。大学入学というスタート地点に着いただけのことです。そして、順調にスター
トを切るには、準備をしておく必要があります。勉強を止めてよい理由などどこにもあり
あません。
大学での勉強に必要なものの基礎は、受験勉強で築かれています。特に、理系の人は数
学、文系の人は国語(現代文)です。理系の学問は、数学なしには何も始まりません。ま
た、文系の学問では、大量の文献を読むことが求められますので、読解のトレーニングを
続ける必要があるでしょう。文章は、ブランクがあると途端に読めなくなります。
それとともに、大学での勉強は、受験勉強のように決められたゴールに向かって与えら
れた課題をこなすというのとは違って、自分で学びたいことを発見していくことが求めら
れます。受験勉強の間は読む時間が取れなかったでしょうから、専門に関する新書などに
チャレンジするというのも良いと思います。
何をすれば良いのか分からないという人は、入学する大学について調べてみてください
。大学のHPで教授陣の研究内容を眺めているだけでも、さまざまな発見があると思います
。そこから掘り下げて、知りたいことを自分なりに見つけてください。
今回で、今年度の受験生向けの記事は終わりです。結果の如何にかかわらず、皆さんが
新しいステージで有意義な時間をすごされることをお祈りしています。
次回からは、主に新高3生に向けて、今年の共通テストの分析をしていきます。

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第130回 入試期間中の過ごし方・③新しいものには手を出さない!

 前回は、入試期間中の過ごし方として、計画を細かく具体的に立てるということについ
てお話しました。時間は限られていますが、集中力も高まっていますので、電車で移動中
などのスキマ時間を有効に活用して、できることを着実にこなしていってください。
 さて、今回も入試期間中の過ごし方についてのお話です。直前期には受験生から「○○
もやった方がよいですか」という質問をよく受けます。新しい参考書や問題集に着手した
いという相談です。ですが、それはお奨めできません。新しいものに手を出すのならば、
これまで使ってきたものを見直し、完璧にすることを優先すべきです。
 入試期間中は、苦手な分野や固めきれていない単元を補強していくことが中心になりま
す。過去問などを解きながら、自分に足りない部分が見えてくるでしょう。そうしたとこ
ろを、これまで使ってきた参考書やノート・プリントを見直して、徹底的に叩き込んでく
ださい。それを抜きにして新しいものに手をつけても、全く効果はありません。
 受験勉強の最終盤にさしかかってきてから新しい参考書などに手を出すのは、リスクが
伴います。まず、それが自分に合ったレベル・内容であるのかが分かりません。また、内
容の確認のためこれまで使ってきた参考書を見返そうとしても、単元などが対応していな
ければ手間がかかります。時間を浪費するばかりなのです。
 それでも、タイトルに「○○時間完成」「短期集中」などとあると魅力に感じますよね
。しかし、直前期に特化した問題集や参考書というのは、全ての範囲が仕上がっていると
いうことを前提としています。それだけやれば得点力がアップするものでもないのです。
 あるいは、手元にあるのにやらなかった参考書などがあると、もったいないようにも感
じます。しかし、それまで手をつけていないというのには、何かしら理由があるものです
。やはり効果はあまり期待できません。
 以上のとおり、これまで使ってきたものを完璧にするということを優先してください。
それこそが合格への確実な道です。また、新しい問題集などをやりたいというときは、信
頼している先生に必ず相談しましょう。自分に合ったものを教えてくれるはずです。
 新しいものをやりたいという気持ちは分かります。不安もあるでしょう。そういうとき
こそ、これまで積み重ねてきたことに自信をもってください。
 次回も入試期間中の過ごし方についてお話します。

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第129回 入試期間中の過ごし方・②to do リストを細分化する

 前々回(第127回)の記事では、入試期間中の過ごし方として、問題の答え合わせをしないということをお話しました。出題形式や傾向の異なる他大学・他学部の問題の見直しをしたところで、次に迫る試験にはほとんど役に立ちません。終わったことはくよくよせず、やるべきことを着実にこなしていってください。
 さて、今回は入試期間中の勉強のこなし方についてお話したいと思います。
入試期間中は最も集中力の高まっている時期と言えます。時間は限られていますが、無駄なく効果的な計画を立てれば、まだまだ底上げができます。そこで、これまでとは違う考え方で、入試期間中に合った計画の立て方をしてほしいのです。
 これまでは、「夏休み中に英文法の参考書を終わらせる」「次の模試までに新ゴロゴ古文単語を一巡する」といったように、長い期間で大きな計画を立ててきたと思います。しかし、直前期にはまとめて時間を取ることはできませんし、消化しきれなくて不安だけを残す結果に終わってしまうでしょう。
 ですから、入試期間中に大切なのは、「明日は1時間で英文法の仮定法の部分を見直す」などのように、計画を細かく具体的に立てることです。あるいは、「通学の電車内の20分間は新ゴロゴ古文単語のAランクを見直す」といった形で決めておけば、スキマ時間も有効に活用できます。
 では、そのような計画をいつ立てればよいでしょうか? それは前の日の夜です。夜寝る前に、一日を振り返りながら、明日やることを予定と相談しながら決めてほしいのです。
 これまでの時期は、どの科目もすべての範囲を終わらせるということを前提に予定を立てていたと思います。しかし、それはひととおり終わっているでしょう。そこで、入試直期間中は、大きな計画を立てるというよりもむしろ、苦手としている分野や、積み残しにしている部分を補強していくことを第一に考えてください。そうした方が、計画を具体的に立てられ、限られた時間でも効果的に勉強できます。
 そして、そのような具体的な「to do リスト」は、前の日の夜に作成するのがベストです。今日一日を振り返り、明日はこれをやるべきだとターゲットを明確に設定する。それを毎日積み上げていけば、思っている以上の成果を挙げることができます。
 また、一日を振り返る際には、何をしたのかを具体的に思い返して、できればノートなどに書き出してください。入試期間中は復習と問題演習が中心となるでしょうが、「今日は○○の問題でつまずいた」などと振り返ることで、「だから△△を見直す必要がある」といったように、やるべきことが明確になります。
 何はともあれ、細かく具体的に計画を立てるようにしてください。
 次回も引き続き、入試期間中の過ごし方についてお話します。

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第128回 入試直前期の過去問の活用法・②自分で傾向を分析しよう

前々回(第126回 https://gorogo.net/publisher/2023/12/14758/ )は、過去問の演習のしかたについてお話ししました。たんに問題を解いてマル付けをするだけでは力になりません。試験時間通りに解き、採点し、間違った問題の理由を分析して、本番で同じミスをしないよう活かしてください。
今回は、もう少し踏み込んだ過去問の活用法についてお話しましょう。過去問を何年か分解くと、体感で傾向のようなものが感じられると思います。それを自分で分析して、傾向をつかんでほしいのです。
たしかに、赤本や参考書を読めば、「傾向と対策」は書かれています。しかし、他人が分析したものをただ読むのと、自分なりに分析したものとでは、身につき方が全く違います。また、実際に問題にあたることで見えてくることもあるでしょう。それをおぼろげな感覚の段階にとどめず、しっかりとした形にしてほしいのです。
どんなことでもそうですが、自分で試行錯誤してつかみ取ったものほど身になります。赤本や参考書に書かれている「傾向と対策」を読んだほうが効率が良いのは確かですが、それが本当に役に立つかどうかは疑問です。どんなに時間がかかっても、どんなに稚拙でも、自分で見出したものは必ず力になります。入試直前期は時間がいくらあっても足りないように感じられるものですが、それでも傾向分析に時間を割く価値は十分にあります。
前回、間違えた問題を書き上げて、その理由を分析してほしいと言いましたね。それだけでも見えてくることはたくさんあります。例えば、同じような間違え方をしている問題が複数あるのだとすれば、それはその大学学部の問題はそのような作りをしているということです。それを自ら発見することで、問題を解く際の意識が変わるでしょう。
また、英語の仮定法であったり、数学の漸化式であったり、特定の分野ばかり間違えるということがあるかもしれません。その分野が毎年出題されるようであれば、対策を講じる必要があるでしょう。あるいは、特に頻度も高くないということであれば、「捨てる」という選択もあり得ます。前回も述べたように、「満点」を取る必要はなく、「合格点」を取れば良いのですから。
赤本や参考書に書かれている「傾向と対策」は、全ての受験生にあてはまる一般論です。これに対して、自分で行う分析は、自分の現状を踏まえた分だけ、効果が期待できます。自分にしかできない過去問の分析で、他の受験生に差をつけてください。
次回は入試期間中の過ごし方についてお話します。

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第127回 入試期間中の過ごし方・①終わった問題の答え合わせはしない

 2日間の共通テストを終え、この記事を読んでいる受験生の方が多いかと思います。こ
れから2月まで入試の日程が続いていきます。そうしたなかで、最も大切なのは、十分に
力を発揮できるよう万全の状態を整えることです。また、限られた時間であっても、まだ
まだ点を伸ばすことはできます。そこで、今回からは、合格に少しでも確実なものとする
ための入試期間中の過ごし方についてお話したいと思います。
 さて、入試が続くなかで、絶対にやってはいけないことがあります。それは、「問題の
答え合わせをすること」です。共通テストのように正解が発表されるものを除いて、自分
で答えを調べたりしてはいけません。
 なぜダメなのか? 理由は簡単です。次の試験につながらないからです。
 まず、受ける大学学部によって、問題の傾向や難易度、出題形式が全く異なります。だ
から、受け終わった大学学部の問題はスッパリ忘れ、次に受ける大学学部の過去問を見直
して、傾向などを再確認する方がよっぽど有益です。
 特に共通テストは、出題形式や問われる内容が独特すぎて、私大や国公立大2次につな
がる要素が全くありません。大学入試センターが発表する解答と配点で自分の得点を把握
したら、スッパリ忘れてください。
 たしかに、できなかった問題は答えを調べたくなるものです。ですが、それをやり始め
ると、特に地歴・公民などでは、ネットなどを調べまくった挙句、答えは分かりませんで
したということがよくあります。正誤問題などがそうです。
 そもそも、できなかった問題は合格点を取るのに必要ないという可能性もかなり高いで
す。私大ではほとんどの受験生ができないような問題も含まれます。たとえば、日本史の
問題を調べて正解は用語集で頻度①の事項だったら、知っている必要はなかった、その時
間は無駄だったということになるでしょう。その用語がその後の入試で出題される可能性
は限りなく低いですし、合否には影響しないのですから。
 自分の合否がかかっていますので、答えが気になる・調べたくなるという気持ちは分か
ります。ですが、その気持ちはどこから生じているのかを自分の心に聞いてみてください
。それは「不安」です。
だとしたら、その「不安」を解消するのに必要なことをするべきです。それは、とにか
く寝ることだったり、ずっと勉強してきた英単語帳を見直すことだったりするでしょう。
そうやって、「自信」を取り戻すことで、「不安」に打ち勝ってください。
 次回も引き続き、入試期間中の過ごし方についてお話します。

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第120回 共通テストの傾向と対策・①従来型と新傾向型の両面の対策を

 今回から、本番まで2カ月を切った共通テストの傾向と対策についてお話していきたい
と思います。今回はまず共通テスト全般の総論です。2021年度から始まった共通テストは
、今年で3回目でしたが、だいぶ方向性が見えてきたと言えるでしょう。各科目とも、問
題は次の2つのタイプに分類されます。
1-従来型:センター試験を踏襲した問題(基礎力重視)
2-新傾向型:文章や資料を用いた問題(思考力重視)
 従来のセンター試験は、一次試験として必要最低限の知識を問うという観点から、各科
目とも単純に知識や公式の適用を問う問題が中心でした。一方で、新学習指導要領で掲げ
られた「思考力・判断力・表現力」を問うべく開始された共通テストでは、文章や資料を
与え、それを材料に受験生に考えさせる問題が数多く出題されるようになりました。
 しかし、だからといって全ての問題がこのような新傾向型の問題になったわけではあり
ません。共通テスト初年度の2021年度には半数近く、2年目の2022年度は4割近くが知識を
問う従来型の問題でした。出題する大学入試センターとしては、少しずつ従来型の問題を
減らしていき、ゆくゆくは新傾向型の問題で固める意向と思われますが(実際に開始に先
立って行われた試行調査では、大半が新傾向型でした)、当面は従来型の問題が一定の割
合を占めると考えられます。ですから、各科目とも基本事項の徹底が重要です。
 また、新傾向型の問題も、何の予備知識がなくても与えられた文章や資料が読めるとい
うわけではありません。各科目で学習した内容と重ね合わせることで、文章や資料の意味
するところが分かる、というような問題の作りになっています。基礎力を重視する姿勢は
センター試験から変わっていないのです。
 ですから、共通テスト対策としては、目先の新傾向型の問題ばかり取り組むのではなく
、各科目の基本となる部分をしっかりと固めることが先決です。そのときに活用してほし
いのが、センター試験の過去問です。センター試験は必要最低限の知識を問う問題として
非常によくできています。まずはセンター試験の過去問で基本事項をしっかりと固めたう
えで、共通テストに進んでいくというのが効果的でしょう。
 次回は現代文の傾向と対策についてお話します。

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第121回 共通テストの傾向と対策・②指示語がポイントであることは共通テスト現代文 でも変わらない

 前回は共通テストの傾向と対策について、総論をお話しました。共通テストでは、文章
を資料を用いた思考力を重視する新傾向の問題が増加していますが、センター試験を踏襲
した基礎力を重視する従来型の問題も一定数出題されています。ですから、センターの過
去問も活用して、基本事項の徹底を図ってください。
 今回からは、現代文に絞って傾向と対策を解説していきたいと思います。まずは評論文
です。共通テストに移行して、2つの文章が並べられたり、視覚資料が用いられたりとい
った、センター試験にはなかった出題が見られます。ですが、見かけは変わっても、問わ
れている内容は大きく変わっていません。文と文のつながりを踏まえて、筆者の言いたい
ことを捉えることが、求められているのです。
 例えば、共通テスト初年度の2021年度には、次のような問題が出題されました。
〈例題〉
 妖怪はそもそも、日常的理解を超えた不可思議な現象に意味を与えようとする民俗的な
心意から生まれたものであった。……このような言わば意味論的な危機に対して、それを
なんとか意味の体系のなかに回収するために生み出された文化的装置が「妖怪」だった。
それは人間が秩序ある意味世界のなかでいきていくうえでの必要性から生み出されたもの
であり、それゆえに切実なリアリティをともなっていた。A民間伝承としての妖怪とは、
そうした存在だったのである。
問 傍線部A「民間伝承としての妖怪」とは、どのような存在か。その説明として最も適
当なものを、次の①~⑤のうちから一つ選べ。
① 人間の理解を超えた不可思議な現象に意味を与え日常生活のなかに導き入れる存在。
② 通常の認識や予見が無効となる現象をフィクションの領域においてとらえなおす存在

③ 目の前の出来事から予測される未来への不安を意味の体系のなかで認識させる存在。
④ 日常的な因果関係にもとづく意味の体系のリアリティを改めて人間に気づかせる存在

⑤ 通常の因果関係の理解では説明できない意味論的な危機を人間の心に生み出す存在。
 傍線部の直後にある〈幅広い指示語〉の「そうした」がポイントです。傍線部内やその
前後に指示語がある場合は、その受ける内容を確認するというのが鉄則でした。「そうし
た」は傍線部Aの前の内容を受けています。ですから、「人間の理解を超えた不可思議な
現象に意味を与え」とある①がズバリ正解と判定できます。
 指示語の内容を押さえるというのは、文章読解の基本中の基本です。それを共通テスト
はセンターから変わらず問うています。ですので、新しい出題形式という見かけにとらわ
れずに、しっかりと読んで解くということを心がけてください。
 次回は小説についてお話します。

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第122回 共通テストの傾向と対策・③共通テスト小説は客観的に根拠を探し出して解く

 前回は、共通テスト評論の解き方についてお話ししました。複数のテクストや図表を用
いるなど見かけ上の変化はありますが、傍線部の前後の読みを問うという基本的な部分は
センター試験から変わっていません。指示語の受ける内容を押さえるなど当たり前の解き
方が当たり前にできるように、過去問で演習を積み重ねてください。
 さて、今回は小説についてお話しています。共通テスト小説でも評論と同様に変化が見
られます。しかし、解き方自体はセンター試験と同じです。
 評論が筆者の主張を読み取るのに対し、小説は登場人物の心情を読み取ります。しかし
、筆者は嬉しい・悲しいなどとあからさまに心情を表現したりしません。言葉や、表情・
しぐさなどから読者に心情を読み取らせようとします。小説の問題で問われるのはまさに
そこです。登場人物の心情を勝手に推測するのではなく、本文から心情を推理しうる要素
を客観的に拾い集めて、それを根拠に解くようにしてください。
 例えば、共通テスト初年度の2021年度には次のような問題が出題されました。

〈例題〉
 傍線部A「擽ぐられるような思」とあるが、それはどのような気持ちか。その説明として
最も適当なものを、次の①~⑤のうちから一つ選べ。

① 自分たちの結婚に際して羽織を新調したと思い込んで発言している妻に対する、笑い
出したいような気持ち。
② 上等な羽織を持っていることを自慢に思いつつ、妻に事実を知られた場合を想像して
、不安になっている気持ち。
③ 妻に羽織をほめられたうれしさと、本当のことを告げていない後ろめたさとが入り混
じった、落ち着かない気持ち。
④ 妻が自分の服装に関心を寄せてくれることをうれしく感じつつも、羽織だけほめるこ
とを物足りなく思う気持ち。
⑤ 羽織はW君からもらったものだと妻に打ち明けてみたい衝動と、自分を侮っている妻
への不満とがせめぎ合う気持ち。

 動詞の「擽(くすぐ)る」を形容詞化した「くすぐったい」は、くすぐられてなんだか
落ち着かない、気恥ずかしくてむずむずした感じを表わします。傍線部Aは、私が妻から
羽織を褒められた場面にありました。「ほんとにいい羽織ですこと」などと褒められるの
はもちろん嬉しい。しかし、その羽織はW君からもらったもので、そのことを妻には告げ
ていませんでした。だから、褒められてもくすぐったい、そわそわした感じがしたのでし
た。
 選択肢を見ると、いま見た本文の状況と、「擽られるような」という比喩表現の意味を
的確に説明しているのは、③の「落ち着かない」しかありません。
 このように、小説が登場人物の心情を読み取る文章である以上は、共通テストに移行し
たからと言って、特別に新しい解法が求められるわけではないのです。
 さて、いま取り上げた問題には、〈アンビバレントな心情〉という小説では必須の要素
が含まれており、問題を解く際に絶大な力を発揮します。次回はこの点についてお話した
いと思います。

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第123回 共通テストの傾向と対策・④小説はアンビバレントな心情に注目する

 前回は共通テストにおける小説の解き方についてお話ししました。小説は、言葉やしぐさなどから読者に登場人物の心情を読み取らせようとしますので、問題を解く際にも、心情を勝手に推測するのではなく、本文から心情を推理しうる要素を客観的に拾い集めて、それを根拠に正誤を判定するようにしてください。
 さて、前回の記事では最後に〈アンビバレントな心情〉が解答に直結するということを予告して終わりにしていました。今回はこの〈アンビバレントな心情〉について説明したいと思います。
 「アンビバレント」とは、ある一つの物事に対して相反する二つの感情を抱くことで、「両義性」とも言います。人間の心情とは複雑なもので、嬉しさと悲しさが入り混じっていたり、満足と不満が同居していたりします。登場人物の心情を描く小説においても、〈アンビバレントな心情〉は一番の読ませどころであり、それゆえ、問題でも問われるのです。
 前回見た共通テスト初年度の問題をもう一度ご覧ください。

〈例題〉
 傍線部A「擽ぐられるような思」とあるが、それはどのような気持ちか。その説明として最も適当なものを、次の①~⑤のうちから一つ選べ。

① 自分たちの結婚に際して羽織を新調したと思い込んで発言している妻に対する、笑い出したいような気持ち。
② 上等な羽織を持っていることを自慢に思いつつ、妻に事実を知られた場合を想像して、不安になっている気持ち。
③ 妻に羽織をほめられたうれしさと、本当のことを告げていない後ろめたさとが入り混じった、落ち着かない気持ち。
④ 妻が自分の服装に関心を寄せてくれることをうれしく感じつつも、羽織だけほめることを物足りなく思う気持ち。
⑤ 羽織はW君からもらったものだと妻に打ち明けてみたい衝動と、自分を侮っている妻への不満とがせめぎ合う気持ち。

 「落ち着かない」と「擽ぐられるような思」を的確に説明している③が正解でした。ここで③の選択肢文の全体を見ると、「うれしさ」と「後ろめたさ」という逆向きのベクトルの2つの心情が述べられていることに気づきます。本文では、羽織について妻から褒められたことを嬉しく思いながら、その羽織を友人のW君からもらったことを告げていなかったため、そわそわした感じを抱いていました。それが、「擽ぐられるような思」という、うれしくも後ろめたいという〈アンビバレントな心情〉として表現されていたのです。
 その他の選択肢を見ると、①・②・⑤は〈アンビバレントな心情〉の説明になっていません。④は「うれしく」「物足りなく」とかろうじて〈アンビバレントな心情〉の説明になっていますが、後半が本文の内容に合致しておらず、誤りです。このように、選択肢を絞る際にも〈アンビバレントな心情〉という視点は有効ですので、ぜひ活かしてください。
 次回は共通テスト古文の傾向と対策についてお話します。

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第124回 共通テストの傾向と対策・⑤古文は文法と語彙で解く

 前回は、共通テスト小説の解き方として、〈アンビバレントな心情〉に注目するという
ことについてお話しました。人間の複雑な心理を読み解くのが小説の面白さであり、そこ
が問題でも問われます。選択肢の正誤を判定する際にも、〈アンビバレントな心情〉が説
明されているかどうかということを判断材料にしてください。
 さて、第121回~第123回の3回にわたって、現代文(評論・小説)の解き方について説
明してきました。そこで強調したのは、複数の文章や資料を用いるなど従来のセンター試
験にはなかった新傾向が見られるものの、文と文の関係を的確に捉えて全体を理解すると
いう文章読解の基本が問われていることには変わりがない、ということでした。共通テス
トでも基本が重視されているのです。このことは、国語以外の科目でも同様ですので、つ
ねに意識しながら最後の追い込みを図ってほしいところです。
 今回は古文についてお話します。共通テスト古文でも基本が問われます。では、古文の
基本とは何でしょうか? それは〈文法〉と〈語彙〉です。例えば、共通テスト初年度の
2021年度には、次のような問題が出題されました。
〈例題〉
 「里に出てなば」の解釈として最も適当なものを、次の①~⑤のうちから一つ選べ。
① 自邸に戻ったときには
② 旧都に引っ越した日には
③ 山里に隠棲するつもりなので
④ 妻の実家から立ち去るので
⑤ 故郷に帰るとすぐに
 まず、「里」に「自宅・実家」の意味があることは必修事項です。この時点で①「自邸
」と④「実家」に絞られます(②「旧都」・⑤「故郷」の意味を表わすのは「ふるさと」
です)。次に、文末の「なば」は、完了「ぬ」の未然形と接続助詞「ば」に品詞分解でき
ます。これも文法の必修事項でしょう。未然形+「ば」ですから仮定条件であることに留
意してください。④のように「ので」と確定条件では解釈できません。「~してしまうな
らば」を「~ときには」と意訳したと捉えれば、①が正解と判定できます。
 この問題が〈文法〉と〈語彙〉を問うというきわめてオーソドックスな作りになってい
ることに気づくでしょう。共通テストに移行しても、基礎力を重視した従来型の問題が半
分近くを占めているのです。まずはこうした問題を落とさないことが重要です。
 問題を解く際には、傍線部の文言を分析して、説明が必要な語や文法事項をピックアッ
プしましょう。そして、選択肢を見る際にも、そうした部分が的確に説明されているかど
うかで正誤を判断してください。そして、直前の総整理として、古文単語と文法事項の確
認は欠かせません。文法は助動詞までを徹底的に学習してください。
 次回は漢文についてお話します。

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