今回から、来年の入試に向けたスタートラインを切る受験生の皆さんに、国語の勉強法についてお話していきたいと思います。多くの受験生にとって、国語というのは何をしたら良いのか分からない、つかみどころのない科目だと思います。勉強しても意味がないと感じている人もいるかもしれません。
 しかし、それは違います。正しい勉強のしかたを身につけて、適切な勉強量をこなせば、確実に成績が上がります。むしろ、きちんとした勉強のしかたが分かっていない受験生が多いぶん、ライバルに差をつけやすい科目とも言えるでしょう。皆さんには、正しい国語の勉強法を実践して、第一志望合格という勝利を勝ち取ってほしいと願っています。
 さて、今回は「国語」の勉強法に入る前に、「勉強法」全般についてお話しましょう。そもそも、「勉強する」というときに、何を勉強するのか? そこには3つの要素があります。「①理解する」「②覚える」「③使いこなす」です。
 まず、「①理解する」は、あらゆる科目において勉強の根幹に位置づけられるものです。数学であれば定理や公式を理解する。英語であれば文法を理解する。理解していなければ、公式を用いて問題を解いたり、文法に即して解釈したりすることはできません。
 次に、「②覚える」は、勉強において最もウエイトを占める要素です。人間とは忘却する生き物です。昨日の晩ご飯は? と聞かれて、とっさに思い出せなかったりしますよね。勉強も同じで、せっかく理解しても、そのまま放置していたら、すぐに忘れてしまいます。理解したことを定着させるには、頭の中で繰り返し暗唱するなどして「②覚える」ことが必要です。
 最後に、「③使いこなす」は、勉強のゴール地点と言えるものです。何のために「①理解する」「②覚える」のかと言えば、問題が解けるようになるためでしょう。頑張って古文単語を覚えたのに、いざ問題の文章で出てきたら思い出せない、というような経験はありませんか? 真面目な受験生ほどインプットに偏りがちですが、インプットはアウトプットのためにあるということを肝に銘じて、適度な演習量を勉強に組み込んでいきましょう。
 これら勉強の3つの要素は、「①理解する」→「②覚える」→「③使いこなす」の順にこなしていくのが理想ではありますが、実際にはそのように進んでいくとは限りません。よく分からないけれどもとりあえず覚えておいて、後から意味が理解できた、とか、問題演習を繰り返しているうちに公式が自然と覚えられた、というようなことも、多々あります。ですから、「理解しないまま暗記しても意味がない」などと堅苦しく考えず、3つの要素を同時並行して進めていきましょう。また、3つの要素のバランスにも注意してください。
 次回からは、「国語」の勉強法について具体的にお話していきたいと思います。