前回は、「攻略アイテム10」のうち、言葉と言葉のつながりに関わる前半の1~6のアイテムについて見てきました。「1順接マーク」から「6指示語マーク」まで、前後のつながりをつかんで文章の内容的な濃淡を「見える化」してください。
 今回は、内容的な価値観に関わる後半の7~10のアイテムについて見ていきます。内容的な価値観とは、簡単に言えば、筆者の〈言いたいこと〉に関わるか、関わらないかということです。前者をプラスの価値観、後者をマイナスの価値観と呼びます。
 現代文の勉強法に関する1回目の記事である第94回で述べたように、筆者は文章全体を〈言いたいこと〉で埋めつくすことはありません。対立する内容を述べて、自らの主張を際立たせるというようなこともします。だからこそ、その内容が筆者の〈言いたいこと〉に関わるか、関わらないか、プラスとマイナスの価値観を見極めることが肝心なのです。
 では、どのようにして見極めるのか? そのために用いるのが、前半の1~6のアイテムです。前回説明したとおりに記号を書き込んでいけば、どこがプラスでどこがマイナスかはおのずと見えてきます。それを踏まえて後半の7~10のアイテムを用いるのです。
 まず、「7キーワードマーク」は、その名の通り本文のキーワードを示すものです。例えば、「~とは」と定義されている語や、「このような」などの〈幅広い指示語〉の後で提示されている語は間違いなくキーワードですので、マルで囲みます。
 次に、「8線引き」は、筆者の主張、あるいは反対の主張に線を引くものです。これは内容的な読み取りに関わってくるので機械的に引けるものではありませんが、例えば「~とは」の後の内容はキーワードの定義に当たるのですから、重要であると判断できます。このように前半のアイテムを手がかりに線引きしていってください。
 そして、キーワードと線引きをしたら、それがプラスとマイナスの価値観のどちらに当たるかを見極めて「見える化」します。それが「9(プラス)筆者の主張」と「10(マイナス)筆者の主張と反対の一般論」です。これも内容的な読み取りに関わるものですので、一概にはこうとは言えません。しかし、プラスかマイナスか判断するという姿勢で文章を読んでいくことが肝心です。
 例えば、「4対比マーク」を付けたら、前後のどちらがプラスかを判断します。どちらもプラスということはあり得ないのです。また、「AではなくB」の形では、反対の内容をいったん否定してから〈言いたいこと〉を述べるのですから、Aがマイナス、Bがプラスになります(ただし、例外的に反対になることもありますので、見極めが必要です)。
 こうしてプラスとマイナスの価値観が判断できれば、文章は読めたも同然です。そして、それは問題を解くことにも直結しています。そこで、次回はこの「攻略アイテム10」をどのようにして解法に活かすかについてお話ししたいと思います。