第4回 国語の勉強法・④古文は助動詞のマスターを第一目標に
前回・前々回と2回にわたり、現代文の勉強法についてお話していきました。現代文は、やはり問題演習の〈量〉が肝心です。〈質〉の部分にあたる、「①理解する」=読み方・解き方の習得、「②覚える」=漢字・語彙のマスターと平行して、「③使いこなす」=問題演習にも力を入れてください。「同じ問題を2回解く」ことも大切です。
さて、今回からは、古文の勉強法に話を進めていきましょう。古文の場合は、「②覚える」から始めるのが良いと思います。具体的には、単語と文法のマスターです。古文は、現代文と比べると、「②覚える」の部分が大きなウェイトを占めます。大変に思えるかもしれませんが、裏返せば、覚えさえすれば合格点を取ることが十分に可能です。毎日コツコツと努力して、知識を積み重ねていきましょう。
単語に関しては、もちろん『新・ゴロゴ古文単語』を使ってください。古文単語を覚えていくうえで、最も大切なのは、それぞれの語が持つ〈イメージ〉をつかむことです。語の〈イメージ〉をつかんでいれば、多義語でも意味を類推することができます。例えば、「いみじ」の〈イメージ〉は「程度がはなはだしいこと」であり、そこから、素晴らしい・ひどいなどの意味が生じます。『新・ゴロゴ古文単語』は、ゴロだけでなく、そうした〈イメージ〉を例文つきで解説していますので、しっかりと理解してください。
次に、文法に関しては、助動詞の活用形・接続・意味がスラスラ言えるようになる、ということを第一の目標としてください。というのも、古文は助動詞が文の意味を決めると言っても過言ではないからです。打消しの「ず」がつくだけで、肯定から否定へと一変しますよね。また、「む」が出てきた場合には、主語によって意志(一人称)・適当(二人称)・推量(三人称)と意味が変わります。文の意味の決定に助動詞が大きな役割を果たしていることが分かります。
また、動詞や形容詞は活用していても語幹は変わらないので見ればすぐに分かりますが、助動詞は、例えば過去の「き」(せ/〇/き/し/しか/〇」のように特殊な活用をするものがあったり、文中に「ぬ」と出てきた場合は完了「ぬ」の終止形か打消し「ず」の連体形か判別しなければならなかったり、見分けるのにひと手間かかります。ですので、そのために活用形と接続をマスターしておく必要があるのです。
なお、助詞は、語と語・句と句・文と文の関係を示す働きをしますので、文法書でざっと整理したうえで、読解演習を通じて習得する方が効率的でしょう。その点も含め、次回は古文読解の方法に話を進めていきたいと思います。