皆様、こんにちは。

「分かった!」で、満足していませんか?
勉強していて、1つ1つの内容を「分かった!」と感じ、その件についてはOK。。。。。
このような姿勢では、絶対に点をとることは出来ません。

「分かる」の次の段階へ進みましょう。

それは・・・「出来る」です。

分かった、と感じた内容が、本当に「出来る」かどうか、確認するのです。
いわゆる「セルフ・レクチャー」「セルフ・チェック」っていうやつですね。
自分に向かって自分で授業をしてみるのです。
なにも見ずに、です。

それが出来れば、OK。。。。ではありませんよ!

その次の段階があるのです。

それは・・・「速く出来る」です。

どんなにセルフ・レクチャーが出来たとしても、うんうん唸りながら何分もかかっているようでは、全く話になりません。
問題を見たら、その解答解説を何も見ずに即座に出来るように訓練せねばならないのです。

「分かる」 ⇒ 「出来る」 ⇒ 「速く出来る」

この流れを、しっかりと意識して下さい。


 
前々回の答案御紹介と講評です。

問題を再掲します。
  
~~~~~

以下のニュースを読み、190字以上200字以内で問題点を指摘し、解決策を述べよ。なお解答に際しては、以下の点に注意せよ。

※ 190字以上200字以内の字数制限厳守。
※ 段落分けはしない。「最初に1マス空ける」もしない。

どうやって生命を維持しているのか分からない「常識外れ」の細菌を、海洋研究開発機構などのチームが発見した。細菌は、太古の地球に似た環境で生息しており、生命の起源解明につながる可能性があるという。
同機構の鈴木志野・特任主任研究員らは、米カリフォルニア州で、地表に現れたマントル由来の岩石に湧く泉で、どのような生物がいるか調べたところ、27種の微生物の遺伝子が見つかった。周辺は強アルカリ性で、約40億年前の地球に似た過酷な環境という。
そのうち、岩石に付着した細菌では、酸素を使った呼吸など生命維持に必要とされるエネルギーを得るための遺伝子を一つも持っていなかった。
この細菌が生きる仕組みは不明だが、岩石から電子を直接得たり、未知の遺伝子が働いたりするなどが考えられるという。細菌の全遺伝子数は約400で、ほかの生物の細胞に依存するものを除き、全生物で最も少なく、研究チームは「常識外れの細菌」としている。鈴木さんは「想像もしない仕組みの生物の存在に驚いた。未知のエネルギー源の解明につなげたい」と話した。

 
《 朝日新聞 2017年7月21日(金) 23時27分 配信 》


[1] Tさん
このニュースを見て、私は様々な可能性を感じた。この細菌は、微生物の遺伝子を持っていることからそれらの祖先であることが分かるため、この細菌について解明していくことは、太古の地球の環境を解明することと等しい。そのため大きな価値はある。しかし、問題もある。例えば、人間に対してどのような影響を与えるのか分かっていない。研究は危険であるといえる。よって、リスク対効果を考えていることが今後の課題である。
(197字)

講評

    ・設問は「問題点を指摘し、解決策を述べよ」ですよ。よって「このニュースを見て~大きな価値はある。」は、全て不要です。
    ・人間への影響が分からず、研究は危険だ、という視点は評価出来ます。ただ、具体性が無く、その点は評価出来ません。
    ・リスク対効果も評価出来ます。ただ、具体性が無く、その点は評価出来ません。
    ・やはり最初の不要な部分を削って、もっと具体的な内容にすべきでしたね。
    ◎ 評価は20%です。

[2] Kさん
新たな細菌から今まで知らなかった情報を得ることはよいことだと思う。しかし、その情報が人間にとってよいものかどうかは分からない。これまでに人間は、遺伝子組み換えを利用して、新しい物質を開発する技術を身に付けた。それ自体は人類の発明を進歩させる素晴らしいものである。しかし、それによって、自然破壊や健康問題を引き起こす危険性が高い場合もある。だから、調査や研究をする場合は、人類にとって良いことなのか、悪いことなのかをしっかり見極めることが大事である。
(224字)

講評

    ・なぜ字数をきちんと数えないのでしょうか?設問に沿っていない答案は、即座に零点ですよ。
    ・内容としても非常に薄い。今回のニュースに関する問題点ではなく、「これまでに人間は~」でお茶を濁しています。解決策も「しっかり見極める」という、非常に曖昧です。
    ◎ 評価は零点です。(字数オーバーのため)

[3] 低 さん
この細菌の発見は、おそらくエネルギー問題や細菌学において、偉大な発見である。しかし、「おそらく」の域を出ないのが現実で、確実にわかっている事は一部地域に湧く泉に生息する事、生命維持に必要なモノを持っていない事だけで、あとはただの憶測である。これでは一部の泉に生息する謎の生物にしかならない。これでは、提示する憶測に対しての情報が欠乏しているので、情報に確実性があるもののみを発信すべきである。‬
(197字)

講評

    ・問題点は、いったいどこなのでしょうか。「~が問題である」と、しっかり書かないと分からないですね。憶測に対する情報の欠乏、が問題なのでしょうか?そうした情報を発信することが問題なのでしょうか?
    ・確実性のあるもののみを発信するためには、どうすれば良いのか? それを「解決策」というのでは? 結局、まったく設問に回答していないことになりますね。
    ◎ 評価は0%です。

[4] ゴリスさん
科学が発達しても、まだこうした未知の細菌を発見することができる世界であるのに、一方で日本では、研究費の削減が深刻化している。例えば、国立大学では年間50万円以下の研究費しかない研究者は6割にも上っている。未知の生物やその生態を調べられるのはお金があってこそである。だから、政府は研究費としての助成金を増やし、援助すべきである。このように注がれた資金の研究成果は、きっと未来の日本の役に立つはずだ。
(197字)

講評

    ・きちんと「日本の問題」に言及していて、とても好感が持てます。理路整然と主張されていて、大変に好ましい答案です。
    ◎ 評価は80%です。VeryGood❢