今回も現代語とは異なる読みをする漢字を取り上げます。意味の違いにも注意してください。

問題 「勝」の読みに留意して次の文を訓読せよ。
穀不可勝食也。

正解 穀勝げて食らふべからざるなり。(穀食らふに勝ふべからず。)
解説 「不可勝A」の形で覚えてください。2通りの訓み方があって、「勝」を副詞として訓む場合は「あげて~すべからず」、動詞として訓む場合は「~するにたふべからず」です。〈全ては~しきれない〉という意を表わします。本問の文は、穀物は(多すぎて)全ては食べきれない、と解釈できます。「あげて」「たふ」両方の訓みを覚えておいてください。

☆今回扱った漢字は、『新・ゴロゴ漢文』巻末「虎の巻」に掲載されています。