前回まで見た「何如」「如何」以外にも、「何」と副詞を組み合わせた疑問形はあります。今回からはそれらについて見ていきます。

問題 次の文を訓読せよ。
 浮生若夢、為歓幾何。

正解 浮生は夢のごとし、歓びを為すこと幾何ぞ。
解説 「幾何」は、「いくばくぞ」と訓み、「どれほどか」と程度を問います。本問は李白の漢詩『春夜宴桃李園序』にある一節です。「若」は「ごとし」と訓んで比況形。はかない人生は夢のよう(に短いもの)であり、歓んでいる時間などどれほどあろうか、と解釈できます。人生の短さが巧みに表現されていますね。

☆今回扱った句形は、『新・ゴロゴ漢文』巻末「虎の巻」に掲載されています。