今回は漢字の意外な読みに関する問題ですが、字源をたどるとなるほどと納得できます。ぜひとも漢和辞典を引いてください。

問題 「以為犬良我友」の「良」の読みとして最も適当なものを選べ。
① よく ② まことに ③ やや ④ おもふ ⑤ すでに

正解 ②
解説 「良」は、穀物の粒を水できれい洗うさまを表わした会意文字で、そこから、けがれのない・優れた・ほんとうになどの意が生じました。副詞で用いられるときは「まことに」と読みますので、覚えておいてください。問題の文は「犬は良(まこと)に我が友と以為(おも)ひて」と訓読できます。唐代の柳宗元が書いた「三戒」の一節で、この文の主語は鹿。(天敵である)犬を勝手に思い込んで気を許した鹿は、最後は犬に食べられてしまいます。油断大敵という話です。

☆今回扱った漢字は、『新・ゴロゴ漢文』巻末「虎の巻」に掲載されています。