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第14回 現代文テーマの学習法①・頻出テーマを押さえて読みの精度を高める

 前回まで、現代文における語彙の学習法についてお話してきました。入試現代文、とりわけ評論文では、「抽象」「概念」といった、ふだんの生活では使わない言葉が用いられており、そうした言葉は関連しあって一つの世界を構成しています。対義語や同義語に留意しながら、一つ一つの言葉を丁寧に理解していってください。
 さて、今回からは評論文におけるテーマの話をしていきたいと思います。皆さんの中には、評論文の問題に取り組むにあたって、「読めるときは読めるのだけれども、読めないときには全く手も足も出ない」という悩みを抱えている方が、多いのではないでしょうか? それは、評論文で論じられているテーマというのは、ふだん友人や家族と話す内容ではないからです。友人と「近代」や「言語論」についておしゃべりするなどということはありませんよね。ですから、多少は知っているテーマについて書かれていれば分かるけれども、初めて聞くテーマだとからきしダメ、ということが起こるのです。
 こうした出来不出来のムラをなくすには、評論文で論じられる頻出テーマについて知識を蓄えておくことが肝心です。実は、入試現代文で出題される評論文には、くり返し出される頻出テーマというのが存在します。その理由は、第一に、出題する大学の先生に共通する知識のバックボーンがあるという点です。大学の先生であれば共有している知の体系があり、それに沿って文章は選ばれているのです。そして、理由の第二は、高校を卒業した受験生が読める程度の内容となると、かなり限定されるという点です。専門的で高度な学術論文から出題しても、受験生は誰もできないでしょう。
 先に挙げた「近代」や「言語論」について論じられた文章を、一度は読んだことがあると思います。こうしたテーマは、それらの理由で選ばれているのです。そして、頻出テーマとなっているのです。ですから、頻出テーマの知識を蓄えておけば、何が論じられているかが分かるので、読解の精度が高まりますし、なにより「何を言っているか分からない」ということがなくなります。
 『新ゴロゴ現代文〈語彙・テーマ〉』では、第1章の重要語10に続いて、第2章で10の基本テーマについて、第3章で10の発展テーマについて詳しく説明しています。基本テーマで扱われているのは「科学」「身体」など最重要の項目ばかりですから、まずはここをしっかりと理解しましょう。発展テーマでは「記号」「自由」など難関大で問われる内容を扱っていますので、さらに上を目指すためにチャレンジしてください。
 次回からは、「近代」などの頻出テーマが、具体的にどのように論じられているのかについてお話していきたいと思います。

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第12回 現代文の語彙の学習法・③言葉どうしの関係を理解する

 前回は、語彙の効率的な学習法として、対義語をペアにして覚えるという話をしました
。「具体」と「抽象」、「現象」と「本質」のように、対義語には重要語が目白押しです
ので、まずはペアをしっかりと覚えること、そのうえで、2つの語がどのように対比され
るのか、意味の違いを理解してください。
 ところで、言葉どうしというのは、対義語だけではなく、同義(同じ意味であること
)・包含(ある語の中に別の語が含まれること)のようにさまざまな関係があります。そ
して、その関係に注目すると、言葉の全体像を捉えることができ、それぞれの言葉の理解
もより深まります。
 例えば、次の問題を考えてみてください。
〈例題〉次の6つの語を、意味によって3語ずつ2組に分けよ。
  普遍 特殊 主観 客観 絶対 相対
 どれも評論文では頻出の重要語ですね。そして、「普遍」と「特殊」、「絶対」と「相
対」、「主観」と「客観」と、3組の対義語になっています。まずは意味を確認しましょ
う。
・普遍:すべてのものに共通して成り立つこと
・特殊:特定の事物にのみあてはまること
・主観:その人だけの物の見方
・客観:誰にでも共通する物の見方
・絶対:他から独立して存在していること
・相対:他との関係において成り立っていること
 これらのペアを、3語ずつ2組に分け直すとどうなるでしょうか?
 まず、「普遍」と「客観」がともに「共通」という意味を含みますね。すべてのものに
共通する(普遍)ということは、物の見方も共通する(客観)ということになります。こ
れに対し、特定の事物にのみあてはまる「特殊」は、その人だけの「主観」にすぎません
。よって、「普遍-客観」という組と「特殊-主観」という組ができました。
 これに、「絶対」と「相対」を仲間に加えるとすると、どうなりますか? 「特殊」な
ものや「主観」的な見方というのは、それ一つだけではなく、横並びしているわけですか
ら、他との関係がある「相対」ですよね。一方、すべてのものに共通する「普遍」や誰に
でも共通する「客観」的な見方は、他のものがありませんので「絶対」です。こうして
、「普遍-客観-絶対」という組と、「特殊-主観-相対」という組が完成しました。
(以上の3つの対義語については、『新ゴロゴ現代文〈語彙・テーマ〉』の、第1章重要語
4~6で解説していますので、よく読んで理解を確かなものとしてください)
 言葉というのは、他の語から独立して「絶対」的にあるのではなく、他の語との関係に
おいて意味の決まる「相対」的なものです。そして、文章というのは言葉と言葉を紡ぐこ
とで織りなされるわけですから、言葉どうしの関係を理解することは、文章を理解するこ
とにもつながります。ですから、そうした関係に注目しながら語彙の学習を進めてくださ
い。
 次回は漢字の意味に注目した語彙の学習法についてお話します。

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第11回 現代文の語彙の学習法・②対義語をペアにして覚える

 前回は、入試現代文における語彙の学習の必要性についてお話しました。評論文では
、「普遍」「概念」などふだんの生活では用いない術語が使用されています。ですから、
英単語や古文単語と同じように現代文でも語彙の習得が求められるのです。〈日本語の運
用のしかた〉に基づく読解力と、言葉の意味に強くなる語彙力が、現代文の両輪であると
考えて勉強に励んでください。
 それでは、どのようにして言葉を覚えていけば良いのでしょうか? 今回は、語彙の学
習のしかたについて説明したいと思います。
 言葉の意味を効率よく覚えていくために、まず最初に押さえてほしいのが、対義語です
。反対の意味を持つ語をセットにすることで、理解が深まりますし、何より実際に文章を
読んでいく際に大きな力を発揮します。
 例えば、現代文の読み方・解き方を解説してきたこれまでの記事で、「具体」「抽象」
の語をたびたび用いてきました。「具体」は〈目に見える形やものとして存在すること
〉、これに対して「抽象」は〈具体的なものから共通する要素を取り出して、頭の中でま
とめること〉です。両者は対義語の関係にあります。具体的なイワシ・サバ・マグロを抽
象化すると魚、具体的なジャガイモ・キャベツ・トマトを抽象化すると具体です。
 もちろん、評論文ではより高度な内容が論じられていますが、具体と抽象の関係に変わ
りはありません。文章は、具体と抽象のくり返しによって成り立っているのでした。そし
て、筆者の〈言いたいこと〉に関わるのは抽象の方です。具体がそのものしか指し示さな
いのに対し、抽象はさまざまなものをまとめて言うことができるからです。このように
、「具体」と「抽象」を対義語として押さえると、文章の構造が見えてきます。
 対義語としては、そのほかにも「普遍」「特殊」、「本質」「現象」など、評論文で頻
出の重要語が目白押しです。まずは、対義語のペアとして覚えるところからはじめましょ
う。というのも、文章の中に「普遍」と「特殊」の語が出てきても、それを知らなければ
対義語であることに気づかないからです。逆に、対義語であることが分かっていれば、そ
の2つの内容を対比させて読むことができます。
(ちなみに、「普遍」は〈すべてのものに共通して成り立つこと〉、「特殊」は〈特定の
事物にのみあてはまること〉です。「本質」「現象」は自分で調べてください。)
 『新ゴロゴ現代文〈語彙・テーマ〉』では、第4章で87組の対義語を整理しています。
現時点での自分の語彙力を診断するという意味でも、まずはここから着手してください。
 次回は、言葉どうしの関係に注目して覚えていく方法についてお話します。

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第97回 現代文の勉強法・④プラスとマイナスの価値観を見極める

 前回は、「攻略アイテム10」のうち、言葉と言葉のつながりに関わる前半の1~6のアイテムについて見てきました。「1順接マーク」から「6指示語マーク」まで、前後のつながりをつかんで文章の内容的な濃淡を「見える化」してください。
 今回は、内容的な価値観に関わる後半の7~10のアイテムについて見ていきます。内容的な価値観とは、簡単に言えば、筆者の〈言いたいこと〉に関わるか、関わらないかということです。前者をプラスの価値観、後者をマイナスの価値観と呼びます。
 現代文の勉強法に関する1回目の記事である第94回で述べたように、筆者は文章全体を〈言いたいこと〉で埋めつくすことはありません。対立する内容を述べて、自らの主張を際立たせるというようなこともします。だからこそ、その内容が筆者の〈言いたいこと〉に関わるか、関わらないか、プラスとマイナスの価値観を見極めることが肝心なのです。
 では、どのようにして見極めるのか? そのために用いるのが、前半の1~6のアイテムです。前回説明したとおりに記号を書き込んでいけば、どこがプラスでどこがマイナスかはおのずと見えてきます。それを踏まえて後半の7~10のアイテムを用いるのです。
 まず、「7キーワードマーク」は、その名の通り本文のキーワードを示すものです。例えば、「~とは」と定義されている語や、「このような」などの〈幅広い指示語〉の後で提示されている語は間違いなくキーワードですので、マルで囲みます。
 次に、「8線引き」は、筆者の主張、あるいは反対の主張に線を引くものです。これは内容的な読み取りに関わってくるので機械的に引けるものではありませんが、例えば「~とは」の後の内容はキーワードの定義に当たるのですから、重要であると判断できます。このように前半のアイテムを手がかりに線引きしていってください。
 そして、キーワードと線引きをしたら、それがプラスとマイナスの価値観のどちらに当たるかを見極めて「見える化」します。それが「9(プラス)筆者の主張」と「10(マイナス)筆者の主張と反対の一般論」です。これも内容的な読み取りに関わるものですので、一概にはこうとは言えません。しかし、プラスかマイナスか判断するという姿勢で文章を読んでいくことが肝心です。
 例えば、「4対比マーク」を付けたら、前後のどちらがプラスかを判断します。どちらもプラスということはあり得ないのです。また、「AではなくB」の形では、反対の内容をいったん否定してから〈言いたいこと〉を述べるのですから、Aがマイナス、Bがプラスになります(ただし、例外的に反対になることもありますので、見極めが必要です)。
 こうしてプラスとマイナスの価値観が判断できれば、文章は読めたも同然です。そして、それは問題を解くことにも直結しています。そこで、次回はこの「攻略アイテム10」をどのようにして解法に活かすかについてお話ししたいと思います。

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第96回 現代文の勉強法・③「攻略アイテム10」で濃淡を「見える化」する

 前回は、難解な内容が論じられている現代文(評論文)では、「意味」よりも「型」のほうが大事であるという話をしました。「意味」は取り違えますが、身につけた「型」はけっして裏切りません。「日本語の運用のしかた」に基づいた「攻略アイテム10」を使いこなせるようにしてください。
 さて、今回から2回にわたって、「攻略アイテム10」について一つ一つ見ていきたいと思います。『新・ゴロゴ現代文〈基礎~必修編〉』の冒頭に掲載されているとおり、「攻略アイテム10」とは、文章に記号を書き込んでいくことにより、筆者の〈言いたいこと〉を浮き彫りにするツールです。文章の内容的な濃淡を「見える化」するものと言ってもよいでしょう(なお、「見える化」のことを術語では「可視化」と言います)。
 「攻略アイテム10」の働きは、大きく2つに分けられます。前半の1~6が言葉と言葉のつながりに関わるもの、後半の7~10が内容的な価値観に関わるものです。今回は前半の6つのアイテムについて見ていきましょう。
 まず、「1順接マーク」は、「頑張って勉強した。だから、志望校に合格した。」のように、前後が順当につながっていくもの。「だから」「したがって」などの接続語に下向きの三角形を付けて、順接であることを押さましょう。また、「また」「しかも」など並立・添加を表わす接続語にもこのマークを付けてください。
 次に、「2逆接マーク」は、「土砂降りとなった。しかし、試合は決行された。」のように、前後で反対の内容が述べられているもの。「しかし」「だが」などの接続語に上向きの三角形を付けましょう。
 続いて「3要約・言い換えマーク」は、「理性を有する動物、つまり、ヒト」のように、前後で同内容が述べられているもの。「つまり」「要するに」などの接続語に下向きの矢印を付けましょう。なお、前後のどちらかがキーワードになりますので、見逃さないことが肝心です。
 「4対比マーク」は、「一方」「これに対して」などの接続語で前後の内容を対比するもの。砂時計のマークを付けたうえで、前後のどちらが〈言いたいこと〉に当たるかを判断してください。
 「5重要接続語・文末表現マーク」は、「こそ」「~ではないか」などの強調表現に波線を引くものです。強調されているのですから、当然〈言いたいこと〉に関わります。特に、定義をする「~とは」の表現は要チェックです。
 「6指示語マーク」は、「これ」「その」などの指示語に二重線を引くものです。とりわけ、「このような」「そういう」などの〈幅広い指示語〉は重要ですので、必ず押さえてください(第47回・第53回などを参照のこと)。
 今年度(2023)の共通テストの問題を解説した、第82回の記事でも述べたとおり、語と語、文と文のつながりを捉えることが文章読解の基礎であり、そこから内容的な濃淡も見えてきます。これらの攻略アイテムを用いて、それを「見える化」してください。
 次回は後半の6~10のアイテムを解説します。

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第7回 現代文の勉強・②「意味」よりも「型」のほうが大事

 前回は、現代文の勉強法の手始めとして、どうやって筆者の〈言いたいこと〉に線を引けばよいのかについてお話しました。現代文は「日本語の運用のしかた」を問う科目です。まずは、これに基いて作られた「攻略アイテム10」にしたがって、手を動かしてみてください。動かしているうちに、しだいに線引きするのが楽しくなってくるはずです。
 今回は、『新・ゴロゴ現代文〈基礎~必修編〉』の冒頭に掲載されているこの「攻略アイテム」について、さらに掘り下げていきましょう。
 前回の記事では、現代文が苦手な生徒の2つのタイプについて例として取り上げました。線引きが全然できないタイプも、文章のほぼ全てに線を引いてしまうタイプも、文章の内容的な濃淡が見極められていないということでした。これを裏返せば、現代文が得意な生徒というのは、濃淡を意識しながら読んでいる、ということです。そして、筆者の〈言いたいこと〉を確実に捉えられるということです。
 なぜそのようなことができるのか? 観察していると、小学校のころから十分に読書経験を積んでいる生徒が多いように感じます。さまざまな文章に接するうちに、「日本語の運用のしかた」が自然と身につき、教わらずとも筆者の〈言いたいこと〉がつかめるのです。
 国語の学力は読書量に比例するので、数多くの文章に触れてほしい。これは切なる願いですが、入試まで1年を切っている受験生にそのような余裕はありません。ですから、現代文が得意な生徒が読書を通じて自然と身につけている「日本語の運用のしかた」を、苦手な生徒は体系的に学ぶ必要があります。そのためのツールが、「攻略アイテム10」なのです。「攻略アイテム10」はきわめて実戦的に作られており、手を動かしているうちに筆者の「言いたいこと」にたどりつけるようにできています。
ここで重要なのは、「型」は「意味」よりも優先される、ということです。現代文を読んでいて、途中から意味が分からなくなり、全く見当違いの読みをしてしまったという経験は、誰にでもあると思います。それは少し考えれば当然です。現代文(評論文)では、近代や言語といった日常では話さない高度な内容が論じられています。ですから、「意味」を取り違えてしまっても致し方ありません。
 そうしたときにこそ、「攻略アイテム10」は威力を発揮します。「意味」が分からなくても、「~ではなく」の後には〈言いたいこと〉が来るとみなして線を引いているうちに、「意味」も見えてくるのです。「攻略アイテム10」が基づく「日本語の運用のしかた」は、「型」とも言い換えられるでしょう。「意味」は取り違えますが、身につけた「型」は絶対に間違えません。だからこそ、「意味」よりも「型」を優先させてほしいのです。
 次回からは「攻略アイテム10」について一つ一つ見ていきましょう。

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第6回 現代文の勉強・①どうやって筆者の〈言いたいこと〉に線を引くか?

 前回まで5回にわたり、国語の勉強法について総論を述べてきました。国語に限らずどんな科目でも、勉強は「①理解する」「②覚える」「③使いこなす」の3つの要素から成り立っています。勉強中にも、いま自分がしているのはどれに当たるのかということを意識するようにしてください。そうすることで、いましていることの意味や、次に何をすべきかということが明確になって、勉強の効率が上がるはずです。
 今回からは現代文の勉強法についてより詳しくお話したいと思います。
 さて、皆さんは学校や塾・予備校の先生から、「筆者の〈言いたいこと〉に線を引きながら読みなさい」と何度も言われてきたのではないでしょうか? そして、心の中でこういうふうに反発してきた人も多いと思います。「でも、〈言いたいこと〉がどこなのか分からないんです。教えてください」と。
 現代文が苦手な生徒を見ていると、2つのタイプに分かれます。1つめは、文章とにらめっこするだけで全く線が引けないタイプ。2つめは、文章のほとんど全部に線を引いてしまうタイプです。対照的な両者ですが、共通していることがあります。それは、文章を最初から最後まで同じ密度・同じテンポで読んでしまっていて、内容的な濃淡が見極められていない、ということです。
 筆者は文章全体を〈言いたいこと〉で埋め尽くしているわけではありません。そんな書き方をしたら、読者がついてこれなくなることを、ちゃんと分かっています。そこで、具体例を用いてかみくだいて説明したり、対立する意見を示して主張を際立たせたりします。このようにして、文章には内容的な濃淡が生じているのです。
 筆者の〈言いたいこと〉は、もちろん濃い部分にあります。ですから、文章の濃淡を見極めて、濃い部分に線を引いていけばよいのです。
 では、どうすれば文章の内容的な濃淡を見極めることができるでしょうか? ここで、第90回の記事で、現代文とは突き詰めると「日本語の運用のしかた」を問う科目であると述べたことを思い起こしてください。ふだん私たちは何気なく、「つまり」と言ってから要点をまとめたり、「~ではなく」と否定してから意見を述べたりしますよね。それが、「日本語の運用のしかた」ということです。そして、現代文を読む際にはそれを意識しながら文章の濃淡を見極め、筆者の〈言いたいところ〉に線を引いていってほしいのです。
 ですが、そうした「日本語の運用のしかた」を教わってきていない人がほとんどでしょう。そこで、まずは『新・ゴロゴ現代文〈基礎~必修編〉』の冒頭に掲載されている「攻略アイテム10」にしたがって、文章に記号を書き込んでいってください。この「攻略アイテム10」は、「日本語の運用のしかた」に基いて作られたものです。ですから、このとおりに手を動かしていけば、自然と「日本語の運用のしかた」が身につきます。
 次回は、「攻略アイテム10」について、さらに掘り下げて見ていきましょう。

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第5回 国語の勉強法・⑤地道に品詞分解することが古文攻略の近道

 前回は、古文の勉強法として、助動詞のマスターが最初の目標になるということをお話しました。古文は、単語も含め「②覚える」ことが多いですが、日々の努力で少しずつ積み重ねていってください。
 さて、今回は「①理解する」と「③使いこなす」の部分についてお話したいと思います。古文において、「①理解する」にあたるのが品詞分解です。そして、これなしに「③使いこなす」にあたる内容の読み取りに進むことはできません。それほどまでに古文では品詞分解が重要なのです。
 品詞分解の重要性については、前回の記事でもその一端をお話していました。品詞分解が必要とされるのは主に助動詞です。というのは、助動詞は活用すると形を変えるので、判別しなければならない場合が多々あるからです。前回は「ぬ」(完了「ぬ」終止形/打消し「ず」連体形)を例に挙げましたが、今回は「らむ」を取り上げましょう。
 文中に「らむ」が出てきたからといって、100%現在推量の「らむ」であるというわけではありません。例えば、「走らむ」はどうでしょうか? 動詞「走る」の未然形に「む」が付いた形です(「む」の意味は主語や文脈から判断することになります)。同様に、「あらむ」も動詞「あり」の未然形に「む」が付いた形で、四段活用とラ行変格活用では未然形の活用語尾に「ら」が出てきますので、「(走)ら/む」と品詞分解する必要があります。
 では、「花咲けらむ」という文ではどうでしょうか? 「咲け」は四段活用の動詞「咲く」の已然形です。だとすれば、四段活用の已然形に接続する「ら」は……と考えれば、完了・存続の助動詞「り」の未然形であると判別できますね。それに「む」が付いた形です。つまり、「花/咲け/ら/め」と品詞分解できて、「花は咲いているだろう」と解釈できます(ここでの「む」は主語が三人称の「花」ですので推量です)。
 現在推量の助動詞「らむ」は、終止形接続です。裏を返せば、終止形接続でなければ、現在推量の助動詞「らむ」ではありません。こうしたことを、品詞分解によって一つ一つ判別していく必要があるわけで、だからこそ、品詞分解は重要なのです(もちろん、活用形と接続を覚えていることが前提ですので、スラスラ言えるまで繰り返しましょう)。
 学校の授業などで先生に「きちんと品詞分解しながら読みなさい」と言われても、面倒くさいと感じているかもしれません。しかし、先生がそのように口を酸っぱくして言うのには理由があります。品詞分解をせずに、文の意味を確定することはできないのです。そして、品詞分解できれば、古文は読めたも同然です。ですので、地道に品詞分解する作業をこなしていってください。それこそが古文攻略の近道です。

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第4回 国語の勉強法・④古文は助動詞のマスターを第一目標に

 前回・前々回と2回にわたり、現代文の勉強法についてお話していきました。現代文は、やはり問題演習の〈量〉が肝心です。〈質〉の部分にあたる、「①理解する」=読み方・解き方の習得、「②覚える」=漢字・語彙のマスターと平行して、「③使いこなす」=問題演習にも力を入れてください。「同じ問題を2回解く」ことも大切です。
 さて、今回からは、古文の勉強法に話を進めていきましょう。古文の場合は、「②覚える」から始めるのが良いと思います。具体的には、単語と文法のマスターです。古文は、現代文と比べると、「②覚える」の部分が大きなウェイトを占めます。大変に思えるかもしれませんが、裏返せば、覚えさえすれば合格点を取ることが十分に可能です。毎日コツコツと努力して、知識を積み重ねていきましょう。
 単語に関しては、もちろん『新・ゴロゴ古文単語』を使ってください。古文単語を覚えていくうえで、最も大切なのは、それぞれの語が持つ〈イメージ〉をつかむことです。語の〈イメージ〉をつかんでいれば、多義語でも意味を類推することができます。例えば、「いみじ」の〈イメージ〉は「程度がはなはだしいこと」であり、そこから、素晴らしい・ひどいなどの意味が生じます。『新・ゴロゴ古文単語』は、ゴロだけでなく、そうした〈イメージ〉を例文つきで解説していますので、しっかりと理解してください。
 次に、文法に関しては、助動詞の活用形・接続・意味がスラスラ言えるようになる、ということを第一の目標としてください。というのも、古文は助動詞が文の意味を決めると言っても過言ではないからです。打消しの「ず」がつくだけで、肯定から否定へと一変しますよね。また、「む」が出てきた場合には、主語によって意志(一人称)・適当(二人称)・推量(三人称)と意味が変わります。文の意味の決定に助動詞が大きな役割を果たしていることが分かります。
 また、動詞や形容詞は活用していても語幹は変わらないので見ればすぐに分かりますが、助動詞は、例えば過去の「き」(せ/〇/き/し/しか/〇」のように特殊な活用をするものがあったり、文中に「ぬ」と出てきた場合は完了「ぬ」の終止形か打消し「ず」の連体形か判別しなければならなかったり、見分けるのにひと手間かかります。ですので、そのために活用形と接続をマスターしておく必要があるのです。
 なお、助詞は、語と語・句と句・文と文の関係を示す働きをしますので、文法書でざっと整理したうえで、読解演習を通じて習得する方が効率的でしょう。その点も含め、次回は古文読解の方法に話を進めていきたいと思います。

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第3回 国語の勉強法・③現代文は問題を2回解いて初めて力がつく

 前回は、現代文の学習法について、「①理解する」=読み方・解き方の習得と「②覚える」=漢字・語彙のマスターについてお話ししました。どんな科目でもそうですが、現代文の場合は特に勉強の「質」を高めることが先決です。『新ゴロゴ現代文』シリーズの〈基礎~必修編〉〈漢字〉〈語彙テーマ〉を活用して、正しい勉強法を身につけてください。
 さて、今回は〈質〉から〈量〉へと話を進めていきましょう。〈質〉に〈量〉をかけ合わせることで、現代文の成績は上昇します。「③使いこなす」=問題演習が〈量〉にあたるわけですが、問題演習の具体的なやり方がカギを握ります。
 まず、使用する教材としては、『新ゴロゴ現代文問題集〈基礎~必修編〉』が最適です。『新ゴロゴ現代文〈基礎~必修編〉』で説明した「日本語の運用のしかた」に即して解説していますので、インプットした内容を実際の問題でどのようにアウトプットするのかを習得してください。
 次に、問題演習のやり方ですが、鉄則として「同じ問題を2回解く」ということを肝に銘じてください。
 1回目はもちろん自力で解きます。そうしたら、解説を読んで、自分の解き方が間違っていなかったかどうかを確認ください。それは、たんに答え合わせをするのとは違います。正解だったとしても、「日本語の運用のしかた」と言葉の意味に沿って明確な根拠をもって解答できたかたかどうかを、振り返るのです。
 現代文で同じ文章が出題されることは稀ですが、「日本語の運用のしかた」はあらゆる文章・問題に通用します。また、漢字や語彙も、実際の文章における使用例に接することで自分のものとなります。解説を読むというのはそのために必要なことと考えてください。
 しかし、解説を読んで理解したというところで留まっていては、別の問題でそれを使いこなせるということにはなりません。ですから、1回解いた問題を、解説を読んだ後、もう1回時間を置いて解いてみるということが肝心です。正しい読み方・解き方が身についているかどうかを、確認することが必要なのです。
 そこで、1回目の演習をする前に、問題のコピーを取っておいてください。文章を読む際には大事なところに線引き・マークをしていきますし、解説を読んだ後にもポイントを書き込んでいくでしょう(線引き・マークのしかたについては『新ゴロゴ現代文〈基礎~必修編』で説明しています)。ですから、2回目の演習のために、あらかじめ何も書き込まれていない真っ新な問題を準備しておくのです。
 以上が現代文の勉強法です。「①理解する」=読み方・解き方の習得・「②覚える」=漢字・語彙のマスター・「③使いこなす」=問題演習の3つを心に刻んで、今すぐスタートを切ってください。エンジンがかかるまでは時間がかかりますが、しだいにスピードが加速されていくはずです。
 次回からは古典の勉強法についてお話していきます。

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